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上代とは?下代・掛け率など物販ビジネスで知るべき仕入れ用語を解説

  
上代とは?

『上代ってどういう意味?』

国内で商品の仕入れを検討しているけど「上代」という用語の意味がわからず困っていませんか?

卸業者は当たり前に用語を使ってくるので、今さら意味を聞き返せないものです。

「上代」や「下代」は流通業界の専門用語ですが、どちらも難しい言葉ではありません。

今回は物販ビジネスで知っておくべき「上代」「下代」「掛け率」の仕入れ用語の意味と、国内仕入れで役立つ算出方法などの基礎知識を徹底解説致します。

今回のコラム記事を読んでいただければ、あなたも今日から仕入れで困らなくなります!

上代とは?読み方と意味を解説

「上代」とは「じょうだい」が正しい読み方となり、小売店での販売価格のことです。

別名でプロパー価格とも呼ばれ、プロパーとは「正規」「本来の」という意味をもちます。

小売価格は英語で「Retail Price」または「List Price」といいます。

アパレル業界でよく使われる「SRP」という用語は「Suggested Retail Price」の頭文字をとったもので、意味は「希望小売価格」です。

小売店での販売価格を表現するなら「定価」の方が一般的ですが、上代と定価は同じ意味のようで次のような違いがあります。

▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください

用語価格を決める人用語を使う人価格変動
定価国・メーカー一般大衆なし
上代メーカー・問屋・輸入業者流通業者あり

つまり、上代は定価のように公的機関や権威あるメーカーが定めた小売販売価格というよりも、メーカーや問屋が定める「希望小売価格」に近いニュアンスです。

定価との違い

「定価」は、一般大衆にも広く認知されていますが、書いて字のごとく「定まった価格」であり、国やメーカー(製造元)が店頭小売価格として事前に設定する価格のことを指します。

定価として付けられた店頭小売価格は、よほどのことがなければ価格変更されることはありません。

定価がよく用いられる代表例には「本」「書籍」などがあげられますが、本や書籍は出版社や発売元が店頭価格を変更しない前提のため、定価の表現が使われます。

上代は業者間限定

上代は、メーカー・問屋・輸入業者などの流通業界でよく使われる専門用語となり、一般的に使われる言葉ではありません。

そもそも「上代」や後述する「下代」は、昔の商人同士の「隠語」として使われてきた歴史があります。

今日における上代も、公に表示する小売価格というよりも、業者間同士で卸価格のやり取りを行う際に、一般消費者にわかりづらくする意味合いが含まれています。

参考上代・オープン価格との違い

上代の関連用語として、しばしば「参考上代」や「オープン価格」などの表現がありますが、各用語の違いをわかりやすくまとめますと、次のようになります。

  • 上代:メーカー、輸入者の希望小売価格
  • 参考上代:小売店で売る場合の参考店頭販売価格
  • オープン価格:メーカー、輸入者の希望小売価格なし

参考上代とは、とくにメーカー・問屋・輸入者が定めた希望小売価格はないものの、小売店で売ることを想定した(参考までに付けた)場合の店頭販売価格となります。

オープン価格とは、メーカー・輸入者の希望小売価格を設定しない価格です。
全く同じ商品でも、スーパーやコンビニ、量販店、通販など、さまざまな販売チャンネルで流通させる前提の商品に多く見受けられます。

オープン価格を具体的に説明すると、家電やカップラーメン、お酒、美容機器、健康器具など、メーカー側が希望小売価格を付けず、各々の小売企業が自社の顧客に応じた店頭販売価格を設定するためです。

下代とは?読み方と意味を解説

「下代」とは「げだい」と読み、卸価格のことです。

上代と同じく下代は、流通業界で用いられる専門用語であり、別名「仕入れ価格」や「仕切り価格」とも呼ばれます。

「下代」を英語で表現するなら「Wholesale Price(卸価格)」で、アパレル業界では「WSP」という略称がよく使われています。

小売店の視点からみた場合の「下代」は「Purchasing Price」や「Purchase Price」といい、直訳では「購買価格」つまり「仕入れ価格」のことです。

流通業者といってもメーカーや問屋、輸入者など、さまざまな立ち位置がありますが、下代は問屋同士、あるいは問屋が小売店に対してよく用いられる用語です。

下代が上代の特性とことなる点は、上代はどの業者、取引先にも同じ価格を提示しますが、下代は業者、取引先によって変わります。

近年のインターネットによる「BtoB取引」の背景下では、下代の表現自体を目にする機会が徐々に減ってきているのも事実です。

インターネットを使った卸取引では、物販初心者を含む不特定多数の事業者が対象となることから、下代という業界用語ではわかりづらいため「卸価格」で統一されるケースが増えています。

上代・下代には消費税を含む?含まない?

上代や下代の言葉を用いるときには、原則として消費税が含まれません。

前述のように、上代や下代は業界専門用語である特性から、一般消費者を対象に用いられる表現ではないためです。

ただし、2021年4月1日以降の「税込表示義務化」が徹底されるようになってから、業者間同士も「税込表示」が適切であるという意見が出始めました。

また、近年の「BtoBサイト(法人間同士専用サイト)」の普及が加速したことも背景にあって、業者間同士の価格表示方法に変化が起き始めました。

従来の「業者間」といえば、双方素性を知っている者同士であることが前提のため「上代=消費税が含まれない価格」であることは織り込み済みです。

しかし、インターネットで取引が完結する「BtoBサイト」は、必ずしも顔見知りでない、初心者など、不特定多数の属性をもつ事業者も含まれます。

そのため、業者間同士であっても「税込表示」を徹底することで、双方が価格情報の誤認を防ぐ動きが強まったのです。

上代・下代と同等に重要な掛け率とは?

上代や下代を理解すると同時に「掛け率」は必ず知っておくべき重要な知識となります。

掛け率とは、メーカーや問屋が設定した上代(販売価格)に対する下代(仕入れ価格)の割合です。

たとえば、バッグの問屋A社が小売店B店に「上代10,000円」の革製バッグを問屋から「下代6,000円」と提示された場合は「掛け率が60%(=6掛)」になります。

例:6,000円(下代)÷10,000円(上代)×100=60%(6掛)

 一方、流通業界における「掛け率」の相場はいくらぐらいなのか気になるところです。

経済産業省が定める小売店の平均利益率は「30%」とされていることから、問屋から小売店に卸す「掛け率」の相場は60~70%(6掛~7掛)程度といわれています。

しかし、EC販売が普及した現代では、メーカーや問屋が定める上代の定義は失われつつあり「掛け率」よりも「下代」で判断する小売事業者が多くなっているのが実状です。

上代の出し方・算出方法

問屋から下代を提示され、上代を出したい場合の算出方法は次のようになります。

たとえば、アパレル問屋C社が小売店D店に新作のTシャツを「下代1,300円、掛け率は65%」と提示したとしましょう。

下代や掛け率に対して、上代が知りたい場合の計算式は以下になります。

例:1,300円(下代)÷ 0.65(65%・掛け率)=2,000円(上代)

次に問屋から下代のみを提示され、自社で参考上代(売価)を出したい場合は、下代から自社が適性と判断する利益率を割って算出します。

たとえば、Tシャツを下代1,300円で自社が30%の利益率を取りたい場合は、次の計算式にあてはめてください。

例:1,300円(下代)÷(1-0.3(利益率))=1,857円(参考上代)

一般的に30%と聞けば「1.3」をかけてしまいますが、流通業界では売価に対する利益率という考え方のため、「1.3」をかけただけでは、参考上代から23%の利益率しか確保できなくなります。

弥生会計や販売管理ソフトなどで事前に設定される利益率も同様の計算式になっていることがありますので、ネット販売や小売店で適正な利益率は必ず「1-利益率〇%」で設定しましょう。

下代の出し方・算出方法

問屋から上代と掛け率を提示され、下代を出したい場合の算出方法は次のようになります。

たとえば、アパレル問屋E社が小売店F店に新作のデニムパンツを「上代6,000円、掛け率は55%」と提示したとしましょう。

上代や掛け率に対して、下代が知りたい場合の計算式は以下になります。

例:6,000円(上代)×0.55(55%・掛け率))=3,300円(下代)

もし、問屋が提示してきた上代設定が高いと感じた場合、自社で利益率を30%に想定し、参考上代(販売価格)を下代から割り出すと次のようになります。

例: 3,300円(下代)× (1-0.3(利益率))=4,714円(参考上代)

とくに他社との競合に左右されやすいネット販売では、ネットに掲載する売価(上代)が高いと、売上に直結する重要な問題です。

必ずしも問屋から提示された上代を鵜吞みにせず、下代を元に自社に適切な上代を設定しましょう。

上代・下代がアパレル業界でよく使われる理由

上代や下代は、アパレル業界でよく使われる用語であるといわれています。

上代・下代などの用語がアパレル業界でよく使われることに対し、考えられる理由は以下3点です。

  • 高度経済成長期の主力産業だった
  • 業界ならではの流通形態
  • 業界の体質が古い

高度経済成長期の主流産業だった

アパレル業界が昭和30年~昭和47年の高度経済成長期を支える主力産業の1つだったことが、上代や下代などの用語を使う人の多さにつながっています。

日本の主力産業ということは、小売店や問屋など、何らかの形でアパレル業界に携わっている事業者の絶対数が多いことになります。

全国でアパレル業界に携わっている人々の絶対数が多いことが、アパレル業界で日常的に使われている用語が流通業界全体に浸透していったのです。

業界ならではの流通形態

アパレル業界は他業種に比べ「問屋」といった中間業者が多いのも大きな特徴の1つです。

「上代」や「下代」といった用語は、小売店と問屋の間で頻繁に使用されていることから、問屋の数が多いアパレル業界に専門用語を使う人が集中することは当然の流れかもしれません。

アパレル業界の「問屋」といえば、現在でも東京・横山町や大阪・船場など、歴史ある繊維問屋街が全国に点在しています。

地方の小売店が繊維問屋街で買い付けを行う際に「上代」「下代」の用語が飛び交う様は、アパレル業界ならではの光景といえるでしょう。

業界の体質が古い

アパレル業界は「業界の体質が古い」特性も併せ持ちます。

そもそも「上代」「下代」といった用語自体が、昔から商売人の間で「隠語」として使われてきた歴史があり、業界が古いからこそ昔の慣習が今もなお引き継がれているのも事実です。

一方で、EC販売が急激に加速している現代では、上代や下代などの専門用語を全く知らない初心者も、ネットを使って簡単に服を仕入れることが可能な時代になっています。

つまり、IT化が一層加速することが予想される将来においては、上代や下代などの用語が使われる機会は徐々に減少していくかもしれません。

まとめ

今回は物販ビジネスで知っておくべき「上代」「下代」「掛け率」の仕入れ用語の意味と、国内仕入れで役立つ算出方法などの基礎知識についてお話させて頂きました。

まとめますと、「上代(じょうだい)」とは小売店での販売価格のことです。

上代は、しばしば「定価」と同じような意味に扱われますが、厳密には次のように若干意味合いが異なります。

▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください

定価一般名称
国やメーカーが定める店頭販売価格・価格変動なし
上代業者間の専門用語
メーカー・問屋・輸入業者の希望小売価格・価格変動あり

上代の関連用語として、しばしば「参考上代」、「オープン価格」などの表現がありますが、各々の違いをわかりやすくまとめますと、次のようになります。

上代

メーカー・輸入者の希望小売価格のこと

参考上代

小売店で売る場合の参考店頭販売価格のこと

オープン価格

メーカー・輸入者の希望小売価格を設定しない価格のこと

一方、上代と共によく使われる流通業界の専門用語の「下代」とは卸価格のことです。

「上代」「下代」の言葉を用いるときは、原則として消費税が含まれません。

しかし、近年では「BtoBサイト(法人間同士専用サイト)」の普及が加速し、卸サイト上では「消費税込」の価格で表示されるケースも目立つようになりました。

上代・下代などの用語はアパレル業界に多いといわれることに対し、考えられる理由は次の3つです。

  • 高度経済成長期の主流産業だった
  • 業界ならではの流通形態
  • 古くからのリアル卸問屋が多い

上代・下代は意味や使い方がわからない間は難しく感じますが、何度か卸問屋とやりとりを重ねる内にすぐに慣れてきます。

今回のコラム記事で習得した知識を参考に国内仕入れにぜひご活用ください。

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