フルフィルメントby Amazon(FBA)とは?手数料・メリットと注意点・海外発送も解説

『フルフィルメントby Amazon(FBA)とは何?』
『Amazonで出品するならFBAを利用した方がよいみたいだけど、そんなにメリットあるの?』
フルフィルメントby Amazon(FBA)とは、Amazon直営の物流・配送代行サービスです。
フルフィルメントby Amazon(FBA)は、ただ荷物の発送を代行するだけではありません。
むしろAmazonで本格的にECビジネスに取り組むなら、必須ツールといえるのです。
今回は、Amazon出品初心者必見のフルフィルメントby Amazon (FBA)について、基礎知識、手数料・メリット・デメリットと注意点を丸ごと解説致します。
コラム記事の最後では、気になるAmazon FBAを使った海外発送についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
※今回のコラム記事で掲載している情報は、記事公開時点(2022年3月10日)のものです
※最新情報はAmazonの公式サイトをご覧ください
フルフィルメントby Amazon(FBA)とは?
フルフィルメントby Amazonとは、別名「Amazon FBA」とも呼ばれるAmazonが運営・管理する配送、物流サービスです。
※以降は「Amazon FBA」と表記していきます
一般的にEC販売では、ユーザーから受注を受けると、出品者が自ら梱包・発送を行いますが、Amazon FBAを使えば出品者がユーザーへ発送作業を行う手間が削減できます。
Amazon FBAは、原則として「販売者Amazon」と「Amazon出品者(セラー)」のみが利用できる物流サービスであり、主な業務は次のようになります。
- 入荷処理
- 棚入れ
- 商品保管
- 受注処理
- ピッキング
- 梱包
- 発送
ただし、出品者がAmazon FBAを利用するには、出品者自ら全国に点在する最寄りのFBA拠点まで荷物を納品する必要があり、Amazonが定める規約を十分に遵守して納品作業を行わなければなりません。
また、Amazon FBAの利用には、利用手数料や保管料などの諸経費も発生するため、出品者は後述するメリット・デメリットを踏まえて利用を検討する必要があるでしょう。
Amazon FBAの手数料一覧
Amazon FBAを利用するには、主に以下のような手数料が必要になります。
- FBA利用手数料
- 在庫保管手数料
- FBA返送/所有権の放棄手数料
- 購入者返品手数料
- 在庫保管超過手数料
- 商品ラベル貼付サービス手数料
FBA利用手数料
Amazon FBAの利用にかかる基本的な手数料は、以下になります。
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サイズ区分 | 寸法 | 重量 | 配送代行手数料 |
---|---|---|---|
小型サイズ | 25cm × 18cm × 2.0cm以下 | 250g以下 | 280円 |
標準サイズ | 35cm × 30cm × 3.3cm以下 | 1kg以下 | 318円 |
60cm以下 | 2kg以下 | 434円 | |
80cm以下 | 5kg以下 | 514円 | |
100cm以下 | 9kg以下 | 603円 | |
大型サイズ | 60cm以下 | 2kg以下 | 589円 |
80cm以下 | 5kg以下 | 712円 | |
100cm以下 | 10kg以下 | 815円 | |
120cm以下 | 15kg以下 | 975円 | |
140cm以下 | 20kg以下 | 1,020円 | |
160cm以下 | 25kg以下 | 1,100円 | |
180cm以下 | 30kg以下 | 1,532円 | |
200cm以下 | 40kg以下 | 1,756円 | |
特大型サイズ | 200cm以下 | 50kg以下 | 2,755円 |
220cm以下 | 3,573円 | ||
240cm以下 | 4,496円 | ||
260cm以下 | 5,625円 |
※配送料含む
※寸法・重量は1商品あたり
※税込表示
※参照:FBA配送代行手数料(Amazon.co.jp)
Amazon FBAの利用手数料は、商品1点辺りのサイズと重量により「小型」「標準」「大型」「特大型」の4つに分類されています。
各々のサイズと重量にあわせた利用手数料が課金されることになります。
商品によっては、上記の表にピッタリあてはめにくいものも存在するでしょう。
Amazon FBAでは、諸費用のシミュレーターや、商品画像の事前送付などで詳細な手数料の見積りを取ることが可能です。
そのため、上記の料金表はあくまでAmazon FBAの利用を検討する際の目安として、必ずしも正確な金額でないことを把握した上で活用しましょう。
在庫保管手数料
Amazon FBAの利用には、以下のような所定の在庫保管手数料も必要です。
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商品カテゴリー | 期間 | 小型・標準サイズ | 大型・特大サイズ |
---|---|---|---|
ファッション系商品以外 (服・バッグ・シューズ&ファッション小物以外) |
1月~9月 | ・5.160円 x [商品サイズ(cm3)] ÷ (10cm x 10cm x 10cm) x [保管日数] ÷ [当月の日数] |
・4.370円 x [商品サイズ(cm3)] ÷ (10cm x 10cm x 10cm) x [保管日数] ÷ [当月の日数] |
10月~12月 | ・9.170円 x [商品サイズ(cm3)] ÷ (10cm x 10cm x 10cm) x [保管日数] ÷ [当月の日数] |
・7.760円 x[商品サイズ(cm3)] /(10cm x 10cm x 10cm) x [保管日数] ÷ [当月の日数] |
|
商品カテゴリー | 期間 | すべてのサイズ | |
ファッション系商品 (服・バッグ・シューズ&ファッション小物) |
1月~9月 | ・3.10円 x [商品サイズ(cm3)] ÷ (10cm x 10cm x 10cm) x [保管日数] ÷ [当月の日数] |
|
10月~12月 | ・5.50円 x [商品サイズ(cm3)] ÷ (10cm x 10cm x 10cm) x [保管日数] ÷ [当月の日数] |
※税込表示
※参照:在庫保管手数料
Amazon FBAの在庫保管手数料は、ファッション系商品とファッション系商品以外の商品カテゴリー、保管対象期間、商品サイズによって料金体系が細かくわかれています。
在庫保管手数料を安くするには、2つの選択肢があげられます。
- なるべく早く売り切ること
- 回転率のよい商品のみを FBAに預けておく
在庫保管手数料の算出方法
在庫保管手数料の算出方法は、基準単価と保管日数に従い、表の数式にあてはめて割り出すことが可能です。
たとえば、以下の両手鍋(ファッション系商品以外)を、Amazon FBAに約1か月(30日)保管した場合の在庫保管手数料は、次のようになります。
Amazon FBAの在庫保管手数料の金額自体は、元々の単価が高額な商品であるほど大きな割合ではありません。
しかし、単価の低い商品の場合は出品者への負担が重くのしかかります。
いずれにせよ、在庫保管手数料は「塵も積もれば山となる」費用ですので、長期にわたりAmazon FBAに商品を保管しておくことは得策ではないといえます。
保管期限1年を超える場合の手数料
Amazon FBAでは、保管期限が1年(365日)を超えた商品については、以下のような「長期保管手数料」が課金されることになります。
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カテゴリー | 締め日 | 手数料 |
---|---|---|
メディア商品 (本・CDなど) | 月1回(毎月15日) | 1商品10円 |
メディア商品以外 | 月1回(毎月15日) | 1商品17.773円 (10cm × 10cm × 10cmあたり) |
※参照:FBA長期在庫保管手数料
長期保管手数料は、メディア商品かメディア商品以外かで料金体系がことなっています。
メディア商品は一律10円、メディア商品以外は1商品17.773円の単価で算出されます。
長期保管手数料は毎月15日に締められて請求されますので、1年を超えてAmazon FBAに保管している商品には注意しましょう。
FBA返送/所有権の放棄手数料
FBA返送/所有権の放棄手数料とは、FBAから出品者に商品を返送、あるいは出品者の商品(荷物)に対する所有権を放棄する場合の手数料です。
FBA返送/所有権の放棄手数料は、商品のサイズや重量に応じて、次のような手数料が課金されます。
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サイズ | 重量 | 手数料(1商品あたり) |
---|---|---|
小型・標準サイズ | 0~200g | 30円 |
201g~500g | 45円 | |
501g~1,000g | 60円 | |
1,001g以上 | 100円 ※1,000gを超えた分の内、1,000gにつき40円が追加で加算 |
|
大型・特大型 | 0~500g | 80円 |
501g~1,000g | 110円 | |
1,001g~2,000g | 140円 | |
2,001g~5,000g | 200円 | |
5,001g以上 | 350円 ※5,000gを超えた分の内、1,000gにつき40円が追加で加算 |
※税込表示
※参照:FBA返送/所有権の放棄手数料
出品者からのFBA返送/所有権の放棄依頼の対応は、通常10~14日ほど期間がかかりますので、急ぎで返送や破棄して欲しい商品がある場合は注意しましょう。
購入者返品手数料
Amazon FBAでは、ファッション系商品(服・バッグ・シューズ、ファッション小物)の購買促進のため、ユーザーへの返品送料を無料にするシステムを採用しています。
しかし、ファッション系商品を購入したユーザーがFBAまで商品を返品する場合、対象商品の取り扱い手数料は、出品者が負担しなければなりません。
購入者返品手数料は、通常のFBA取り扱い手数料と同額ですので、ファッション系商品の出品者はとくに注意しましょう。
在庫保管超過手数料
Amazon FBAでは、長期保管手数料のほかに、在庫流動状況のパフォーマンス指標で保管容量が定められています。
なお、所定の期限を経過した商品については、在庫保管超過手数料が課金されます。
在庫保管超過手数料は 1立方メートルあたり31,727円と定められており、いずれも保管期限を超えた場合の日数を日割りベースで算出されます。
ポイント!
FBA在庫保管制限の細かい規定は、Amazonの公式サイト(以下URL)をご確認ください。 https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/V8JEETWV9Q33CMX
商品ラベル貼付サービス手数料
Amazon FBAに商品ラベル貼付を依頼する場合も、所定の手数料がかかります。
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商品サイズ(区分) | 商品ラベル貼付サービス手数料(1商品あたり) |
---|---|
FBA小型軽量商品 | 10円 |
小型/標準サイズ | 20円 |
大型 | 51円 |
※税込表示
※参照:商品ラベル貼付サービス
Amazon FBAに納品する場合は、出品者自らAmazonが定める所定の方法に従って、商品ラベルを貼ることになっていますが、Amazon FBAに作業を委託することも可能です。
Amazon FBAに商品ラベル貼付を依頼する場合は、Amazon FBAに商品ラベル貼付サービスに事前登録しておきましょう。
Amazon FBAの納品方法
Amazon FBAへの納品方法は、次の7つの手順に従って行います。
- 商品登録
- 納品プランを作成
- 商品ラベル貼付・バーコード確認
- 納品倉庫を確定
- Amazonの基準に沿って梱包
- 配送準備を行う
- 納品完了処理
【ステップ①】商品登録
Amazon FBAに納品するには、まず商品登録を行います。
Amazonには「大口出品」と「小口出品」の2つの出品方法があり、いずれのプランでもFBAの利用は可能です。
商品登録に必要な項目を一通り入力したら、最後の「フルフィルメント」の選択肢を「Amazonから出荷(FBAから出荷)を選び、「保存して終了」をクリックすると、完了です。
【ステップ②】納品プランを作成
2番目のステップは、FBAへの納品プランを作成します。
Amazonセラーセントラルにログインして「在庫」→「在庫管理」に移動します。
Amazonに出品中の商品一覧が表示されますので、Amazonに納品する商品にチェックを入れます。
「選択中の○商品を一括変更」をクリックして「在庫商品を納品/補充する」を選択します。
「納品手続きに進む」ボタンを選択すると「危険物情報を追加」という項目が出現します。
Amazonでは、FBAへの納品物が危険物に該当するのか確認をするために、危険物情報の入力が必要です。
「危険物情報を追加」を選択するとチェックボックスが出現するので、選択して「送信」ボタンをクリックします。
危険物情報の入力が完了したら「保存して次に進む」を選択します。
次は、納品プランの作成をしていきます。
納品プラン作成では、以下3項目の情報を入力していきます。
- 1.新規納品/既存商品の選択
-
以前に納品プランを作ったことがある商品は既存でクリック、新規の場合は新しく納品プランを作成しましょう。
- 2.発送元住所確認
-
いつもと違う住所から発送する場合は、新たに情報を登録する必要があります。
- 3.梱包タイプの選択
-
1つの箱にさまざまなSKUやコンディションの商品が混ざっている場合は「個別の商品」を選択します。
1つの箱に同じメーカーの同じ商品が梱包されているなら「外箱で梱包された商品」を選択しましょう。
入力が完了したら「続ける」ボタンを選択します。
次に納品する商品の数量を入力していきます。
商品の数量を入力し終えたら「続ける」ボタンを選択し、再度「続ける」ボタンを選択します。
【ステップ③】商品ラベル貼付・バーコード確認
Amazon FBAに納品する商品には、必ずバーコード付きの商品ラベルを貼付ける必要があります。
商品ラベルを貼付けるには、前述のように手数料を払ってAmazonに委託することもできますが、出品者で商品ラベルを作成することも可能です。
商品ラベルを印刷するには、商品ラベルを貼付けるページでラベル貼付けを「出品者が行う」とクリックすれば、商品ラベルのPDFファイルがダウンロードできます。
Amazon FBA専用は、Amazon内で「FBAラベル 24面」で検索をかけると購入できるので、出力して荷物にシールを貼付けて使用しましょう。
【ステップ④】納品倉庫を確定
商品ラベルの用意ができたら、次は納品倉庫の確定です。
納品するFBA拠点(フルフィルメントセンター)は、発送元の住所や商品情報を元に、Amazonが自動的に指定されることになります。
画面に納品先が表示されていますので拠点を確認し、納品作業を確定させるには「続ける」をクリックします。
【ステップ⑤】Amazonの基準に沿って梱包
Amazon FBAに納品するには、Amazonの規定に沿った梱包方法を遵守する必要があります。
Amazon FBAに納品する際に使用する輸送箱は、次のサイズに定められています。
出典:Amazonへの個口配送
Amazon FBAに納品する際の段ボールはスーパーにあるような箱でもかまいませんが、あまりに汚い古い箱で送付すると、輸送途中で商品がばらけたり汚れる可能性もあります。
そのため、できればなるべく新しい段ボールを使用する方が無難です。
Amazon FBAでは、外装にテープを何重にも巻く、箱を加工してつなげる行為はNGですので、絶対にさけるようにしましょう。
【ステップ⑥】配送準備を行う
商品ラベル貼付、箱詰めが終了したら配送準備を行います。
先ほどのAmazonセラーセントラルの画面内で、配送方法「標準配送・パレット配送」を指定しますが、通常は「標準配送」を選択します。
次に配送業者を指定します。
Amazon FBAのパートナー配送業者は、ヤマト運輸か日本郵便ですが、自社で契約した配送業者でも指定できます。
発送する個口数と箱のサイズの情報をセラーセントラルに入力し「確認する」をクリックします。
最後に「Amazon FBA配送ラベル」をセラーセントラルで印字し、輸送箱の目立つところにラベルを貼って出荷しましょう。
【ステップ⑦】納品完了処理
Amazon FBAに納品するすべての作業が完了したら、納品完了処理に移ります。
配送業者の追跡番号を入力し、最後に「クリックすると納品が完了します」をクリックしたら納品完了です。
Amazon FBAを利用するメリット・デメリット
Amazon FBAを利用するメリットとデメリットをご紹介していきます。
メリット
まず、Amazon FBAを利用するメリットは次の6つです。
- 優先表示・カートボックス獲得率アップ
- 物流業務・人件費削減
- 終日フル稼働・配送オプション対応
- 決済手段の選択肢が増える
- 転換率(CVR)が高い
- FBAマルチチャネルサービス利用可能
優先表示・カートボックス獲得率アップ
Amazon FBAを利用する最大のメリットは、Amazon内での優先表示やカートボックスの獲得率がアップすることです。
他モールや自社サイトでは、自社発送が一般的です。
一方、Amazonでは、FBAを利用しているセラーの商品情報がサイト内で優先表示される仕組みになっています。
しかも、Amazonではカートボックスを獲得したセラーの購買決定率がほぼ80%強といわれており、カートボックスを獲得しているセラー、していないセラーでは結果がまったくことなります。
Amazonで大きな売上を上げたいと切望するセラーにとって、FBA利用は必須の選択肢となるのです。
ポイント!
カートボックスについて知りたい方は、Amazonの公式サイト(以下URL)をご覧ください。
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/G201687550
物流業務・人件費削減
Amazon FBAの利用により、社内の物流業務や物流関連の人件費を削減できます。
FBAの利用にも簡易的な物流業務は発生しますが、受注のたびに一般ユーザーに発送する方が作業負担の割合ははるかに高くなります。
また、出荷業務が増大すれば、社内で専門の人材確保も検討しなければなりませんが、FBAを利用すれば物流関連の人件費を大幅に削減することも可能です。
終日フル稼働・配送オプション対応
Amazon FBAは、24時間365日「終日フル稼働」のため、ユーザーにスピーディーな対応を行えます。
EC販売で大きな売上を目指すには「価格+品質+露出度」ありきだといわれていますが、納品スピードも重要な要素の1つです。
いくら価格と品質が適正でも、納品に時間がかかってしまっては、ユーザーの購買意欲が失われやすく、販売機会損失につながりかねません。
Amazon FBAは24時間365日終日フル稼働の体制を取っていることから、販売機会損失を最小限に食い止めることが可能になります。
決済手段の選択肢が増える
Amazon FBAを利用することで、決済手段の選択肢も増えます。
Amazonでは以下の決済手段について、FBA利用のセラーだけに限定しています。
- コンビニ払い
- 代金引換
- 後払い
上記3つの決済手段は「クレジットカードを持っていない層」「使いたくない層」の囲い込みに有効です。
とくに、若年層や主婦層を対象にしている商品カテゴリーの出品者は、前向きに検討すべきです。
Amazonで買い物をしようとするあらゆるユーザーニーズを逃さないためにも、決済手段の選択肢はなるべく増やせることが理想的といえるでしょう。
転換率(CVR)が高い
Amazon FBAを利用しているセラーの出品ページは、転換率(CVR)の高さにも定評があります。
Amazon FBAを利用するセラーは「即納在庫あり」「スピード配送」「万全な梱包状態」で送られてくることを意味するため、信頼度の高いセラーの証です。
Amazon FBAは、ユーザーが購入を躊躇するほとんどの要素をクリアすることになるため、自社発送対応のセラーと比べ、優位な立ち位置で販売活動をすすめることができます。
FBAマルチチャネルサービス利用可能
Amazon FBAマルチチャネルサービスを利用することで、Amazon以外で販売した商品の配送手続きをAmazon FBAに委託することができます。
FBAマルチチャネルサービスとは、楽天市場やYahoo!ショッピング、自社サイトなど、Amazon以外のプラットフォームで売れた商品の配送をAmazon FBAに委託できるサービスです。
FBAマルチチャネルサービスを利用するには、Amazon FBAにも同じ商品を出品しておく必要がありますが、複数の店舗を運営している事業者にとっては、活用次第で在庫ロスを減らすことにつながるでしょう。
デメリット
Amazon FBAを利用するデメリットは次の6つです。
- 利用手数料が必要
- 在庫保管の費用負担あり
- 課金される手数料が多すぎる
- 自社で状態確認・変更不可
- FBAで取り扱えない商品あり
- Amazon同様の返品ルール適用
利用手数料が必要
Amazon FBAを使うデメリットは、利用手数料がかかることです。
AmazonでECビジネスに本格的に取り組むには、FBAの利用はさけられませんが、FBAの利用手数料は決して安価とはいえません。
さらに、近年はEC業界の競争がますます激化し、適正利益を確保することが難しくなっているのが実状です。
本来であれば、EC事業者は必要経費を少しでも削減したいのが本音です。
既存の商品原価にAmazon FBAの利用手数料が加われば、出品者の負担は一層増大することになります。
在庫保管の費用負担あり
Amazon FBAを利用するには、在庫保管手数料の負担もあります。
Amazon FBAの在庫保管手数料は、商品の嵩が小さめで、かつ高額単価の商品なら大した負担額にはなりません。
しかし、低価格帯の商品を販売している事業者にとって在庫保管手数料は、無視できない費用であることも事実です。
Amazon FBAの在庫保管手数料は、保管期限が長くなればなるほど費用の負担が増していくため、長期に渡りAmazon FBAに在庫を保管しておくことは、得策ではありません。
Amazon FBAの在庫保管手数料の負担を最小限にするためにも、Amazon FBAにキープする商品を厳選し、リスクを極限まで削減する工夫が必要になるでしょう。
課金される手数料が多すぎる
Amazon FBA利用には所定の手数料や在庫保管手数料以外にも、さまざまな手数料が課金されるケースがあります。
たとえば、Amazon FBAで保管していた商品を戻してもらう際も、返送料やAmazon所定の手数料も必要です。
つまり、FBAを常時利用するだけで「塵も積もれば山となる」手数料が多々発生します。
Amazon FBAを利用してもなお、適正利益を確保するには、れっきとしたノウハウが必要になるでしょう。
自社で状態確認・変更不可
Amazon FBAを利用すると、出荷前の商品の状態を自社で確認できません。
Amazon FBAでも「目視検品」程度は行ってもらえますが、中身までの検品はほぼ不可能です。
もし、セラー側が不良箇所に気付かずユーザーに発送してしまった場合は、クレームや返品の対象となります。
また、Amazon FBAに一度納品してしまった商品は、商品の変更対応をお願いすることも不可能です。
そのほかにも、海外仕入れなどで大量の不良品が存在するかもしれない荷物をFBAに直送した場合も、自社で商品を検品や交換対応を自由に行うこともできません。
FBAで取り扱えない商品あり
Amazon FBAでは、すべての商品が取り扱える訳ではなく、一部取り扱いができない商品もあります。
主に次のような商品はFBAで取り扱い不可となっており、自社発送で対応するしか選択肢がありません。
- 化粧品(法令上の日本語表示のない商品)
- 医療品・医療機器
- 危険物・危険マーク付の商品
- エアゾール製品
- 医薬品
- 金券類
- 金・プラチナなど貴金属
Amazon FBAの利用を検討する前に、自社の商品が取り扱い可能対象商品かを事前によく確認しましょう。
ポイント!
Amazon FBAで禁止されている商品については、Amazonの公式サイト(以下URL)をよくご覧ください。
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/201730840
Amazon同様の返品ルール適用
Amazon FBAでは「販売者Amazon」と同様の返品ルールが適用されることになります。
一般的に、ほかのECモールでよくある返品ルールは、初期不良など出品者側に落ち度があった場合に限定されます。
しかし、Amazonではとくにセラー側に落ち度がなくても、ユーザーが返品したいといった場合はユーザーの要望に極力逆らわない方針を採用しています。
基本的には「販売者Amazon」と同じ基準の返品ルールに従わなければなりません。
さらに、返品時にはFBAの手数料も課金されることになるため、返品件数が重なると、一般セラー側の費用負担はどんどんのしかかってきます。
Amazon FBAを利用するときの注意点
Amazon FBAを利用するときの注意点は、以下の5つです。
- FBA納品停止に注意
- 規定サイズ内の箱・重量で納品する
- 商品の個別包装方法
- 配送箱の状態に注意
- 受領確認できない配送方法は禁止
FBA納品停止に注意
Amazon FBAを利用する上でもっとも注意すべきことは、FBAの納品停止です。
Amazon FBAでは、FBA所定の納品方法や梱包方法など、規定のルールがたくさん定められています。
規定外の納品が重なったセラーは、FBA利用停止措置を取られることになります。
FBAの納品停止措置は事前予告なく、ある日突然停止されることも十分にあります。
くれぐれもAmazon FBAの規約に反しないような納品方法を遵守しましょう。
規定サイズ内の箱・重量で納品する
Amazon FBAには、規定サイズ内の箱・重量で必ず納品しなければなりません(規定サイズはこちらで前述しています)。
もし、規定サイズ外の箱で納品した場合は、FBAで納品を受け付けてもらえず、かつ自社まで返品する際の取り扱い手数料と送料もセラー負担となります。
最悪の場合は、FBAの利用停止措置に発展することもありますので、くれぐれもAmazon FBAに納品する際の箱のサイズ、重量規定は遵守しましょう。
商品の個別包装方法
Amazon FBAへ商品を納品するときには、個別包装方法にも細心の注意を払う必要があります。
Amazon FBAでの個別包装の規定は、商品によってことなりますが、原則的にどの商品も中身やバーコードが確認できない梱包方法はさけるべきです。
たとえば、CDなどは外装の破損が心配になるため、ついエアーパッキンなどで包みたくなりますが、Amazon FBAではエアーパッキンを使ったCDの個別包装はNGとされています。
しかし、ぬいぐるみやカバン、おもちゃなどの一部商品は個別包装が義務付けられており、かつ元々商品についているバーコードはシールで隠さなければなりません。
ポイント!
各商品の包装方法については、Amazonの公式サイト(以下URL)をよくご覧ください。
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/200141500
配送箱の状態に注意
Amazon FBAへ商品を納品するときには、配送箱の状態にも注意を払わなければなりません。
よくあるケースとしては、段ボールの外側にテープを何重にもグルグル巻きにする、2つの段ボールを無理やりくっつけるなど、段ボールに何らかの加工をくわえてしまうのはNGです。
Amazon FBAに納品する際は、必ず箱をシンプルなデフォルトの状態で使用し、かつテープの巻きすぎにも注意しましょう。
受領確認のできない配送方法禁止
Amazon FBAでは、受領確認のできない配送方法を禁止しています。
受領確認のできない配送方法とは、次のような手段です。
- 直接持ち込み
- レターパックライト
- メール便・普通郵便
Amazon FBAのオペレーションは、すべてシステムで管理されており、規定外の対応は受け付けてもらえません。
商品を納品する際には、必ずAmazon FBA所定の配送方法で荷物を送りましょう。
Amazon FBAを利用して海外発送する方法
Amazon FBAを利用することで、海外のユーザーへもかんたんに商品の販売ができます。
Amazon FBAを利用している出品者は、Amazonに任せておけば追加手数料なし(国内と同じ)で海外ユーザーへの発送に対応してくれます。
Amazon FBAを使って海外発送を行うには、Amazonセラーセントラルにログインしてから「設定」→「FBAの設定」をクリックし「FBA海外配送」の設定を有効にするだけです。
海外発送の場合は、商品を受け取ったユーザーが相手国の輸入に関連する費用を負担することになるため、出品者が相手国の輸入関連経費を負担する必要はありません。
ただし、Amazon FBAマルチチャネルサービスを利用して海外発送する場合は、注文1件に対し、発送する国や方面に応じて以下の手数料が課金されます。
▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください
サイズ (1件あたり) |
注文処理 (1件あたり) |
出荷作業手数料 (1ユニットあたり) |
発送重量手数料 (1ポンドあたり) |
|
---|---|---|---|---|
最初の15ポンドまで | +16~20ポンド | |||
北米・南米 | 13.65ドル | 0.60ドル | 2.40ドル | 0.50ドル |
アフリカ・中東 | 3.60ドル | |||
アジア・オセアニア | 3.00ドル | |||
ヨーロッパ | 2.20ドル |
※参照:FBA海外発送手数料
Amazon FBAの海外発送は対象とする国や地域、あるいは商品によって除外することも可能です。
ポイント!
Amazon FBAで海外発送の対象国、商品の編集のくわしいやり方は、Amazonの公式サイト(以下URL)をご参照ください。
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/G200149570
まとめ
今回はフルフィルメントby Amazon (FBA)について、基礎知識、手数料・メリット・デメリットと注意点について、総合的にお話させて頂きました。
まとめますと、フルフィルメントby Amazonとは、別名「Amazon FBA」とも呼ばれる、Amazonが運営・管理する配送、物流サービスです。
Amazon FBAは、原則として「販売者Amazon」と「Amazon出品者(セラー)」のみが利用できる物流サービスであり、主な業務は次のようになります。
- 入荷処理
- 棚入れ
- 商品保管
- 受注処理
- ピッキング
- 梱包
- 発送
Amazon FBAを利用するには、主に次のような手数料が必要になります。
- FBA利用手数料
- 在庫保管手数料
- FBA返送/所有権の放棄手数料
- 購入者返品手数料
- 在庫保管超過手数料
- 商品ラベル貼付サービス手数料
Amazon FBAへの納品は、次の7つの手順に従って行います。
- 商品登録
- 納品プランを作成
- 商品ラベル貼付・バーコード確認
- 納品倉庫を確定
- Amazonの基準に沿って梱包
- 配送準備を行う
- 納品完了処理
Amazon FBAを利用するメリット・デメリットは、それぞれ次のようになります。
▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください
メリット | デメリット |
---|---|
・優先表示、カートボックス獲得率アップ ・物流業務、人件費削減 ・終日フル稼働 ・配送オプション対応 ・決済手段の選択肢が増える ・転換率(CVR)が高い ・FBAマルチチャネルサービス利用可能 |
・利用手数料が必要 ・在庫保管の費用負担あり ・課金される手数料が多すぎる ・自社で状態確認、変更不可 ・FBAで取り扱えない商品あり ・Amazon同様の返品ルール適用 |
Amazon FBAを利用する場合の注意点は、以下の5つです。
- FBA納品停止に注意
- 規定サイズ内の箱・重量で納品する
- 規定に沿った個別包装方法を行う
- 配送箱の状態に注意
- 受領確認できない配送方法は禁止
一方、Amazon FBAを利用することで、海外のユーザーへもかんたんに商品の販売ができます。
さらに、Amazon FBAを利用している出品者は、追加手数料なしで海外ユーザーへの発送に対応してくれるため、言語や現地事情がわからなくても越境ECに気軽に参入できます。
Amazon FBAはAmazonでECビジネスに取り組む上で欠かせないパートナーです。
もちろん、利用に際しては手数料や諸経費もかかりますが、回転率のよい商品だけをうまく厳選して戦略を練れば、通常の自社配送にないメリットが享受できます。
Amazon FBAをうまく活用するには確固たるノウハウが必要のため、利用を検討する際は、確実に捌ける商品から少量ずつ始め、段階的に取り扱い荷物を増やしていきましょう。
まずは無料でご相談ください。
お問い合わせ・ご相談や、公開後の修正依頼などに関しては、いずれかの方法にてお問い合わせください。
※年末年始・土日祝は定休日となります
※受付時間 9:00~17:30