ネットショップの開業届は必要?得られるメリット・書き方・副業バレ対策まで徹底解説

      

『ネットショップを始める上で開業届って必要?』
『副業バレが怖いし、届出しなくても問題無いって聞いたけど?』

ネットショップを始める上で開業届を提出しなくても特に罰則はありませんが、届け出は行っておく方がベストです。

今回はネットショップで開業届が必要な理由と届け出をメリット、副業バレ対策や正しい書き方などのお役立ち情報も含めて徹底解説致します。

ネットショップで開業届が必要な理由

ネットショップで開業届が必要な理由をお話する前に、そもそも開業届とは何なのかを簡単におさらいしておきましょう。

開業届とは税務署へ事業を開始したことをお知らせするための届け出です。

開業届の目的は「確定申告」のためであり、すでに何らかの別事業で開業届を税務署へ提出済の方は新たに届け出を行う必要はありません。

確定申告と言えば『いきなり大きな額を納税できるほど利益が出るかわからないから不要では?』と解釈されている方もいますが、厳密に言えば事業によって一定以上の所得が発生すると予想される場合は確定申告を必ず行う必要があります。

ここではネットショップを始める上で開業届の提出が必要な基準、出店形態について詳しくお話していきます。

年間所得20万以上なら開業届が必要

確定申告は給与所得以外で年間20万円を超える別所得が発生する場合に必要となります。

通常、会社員の方は源泉徴収を会社が行ってくれるため、自身で別途確定申告を行う必要はありません。

しかし、源泉徴収分以外の別所得については確定申告を行うことが義務付けられています。

確定申告はネットショップに限らず不動産収入やブログ収入なども同様です。

年間20万円と言えば月額16,000円前後の収益となるため、趣味やおこづかい程度にネットショップを始める方もほぼ対象となります。

ただし、申告には経費の計上が認められており、仮に売上年間20万円に対し経費が10万円かかった場合は「所得10万円」となるため、確定申告の必要はありません。

出店条件に開業届提出を義務付けている媒体もあり

ネットショップを個人で開業する場合、出店するプラットフォームによっては「開業届の写し」の提出を求められることがあります。

ネットショップはおおまかに大手ECサイトの「モール型」と、独自ドメインの「自社サイト型」のいずれかで出店する方法が一般的ですが、開業届の提出を求めてくるのは「モール型」に多く見受けられます。

大手モールへの出店は「開業届提出済みの方」を前提としていることが多く、出店申し込み前に税務署への届け出を予め済ませておく必要があります。

大手モールが開業届の提出を義務付けている理由は「コンプライアンス遵守」を徹底しているからです。

大手モールは圧倒的な会員数と集客力を保有していることからユーザーと出店者とのトラブルをなるべく未然に防ぐ意味合いが含まれており、開業届は法令遵守の意志がある出店者の証ともなるからです。

ネットショップを始めると決めたらなるべく早期に事業を開始したいものですが、大手モールに出店を予定している方は開業届を予め提出しておく方が手続きがスムーズに流れます。

ネットショッププラットフォーム別開業届提出要件一覧

以下の表は国内で主要なネットショップ媒体別に開業届の提出要件をまとめたものです。

▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください

出店形態 プラットフォーム 開業届提出要件
モール型 楽天市場
ラクマ(楽天フリマアプリ) 不要
YAHOO!ショッピング
ヤフーオークションストア
ヤフオク 個人IDは不要
Amazon 不要
au pay マーケット 不要
メルカリ 不要
Buyma バイマ 不要(推奨)
ドメイン型 BASE(ベイス) 不要
カラーミーショップ 不要(推奨)

国内ECサイト最大手である楽天市場とYahooは、出店時に開業届の写しを必ず準備する必要があります。

ただし、同じ楽天やYahoo系列でも「ラクマ」や「ヤフオク」の個人IDでの出品は開業届の提出は不要となりますが、「ヤフーオークションストア」の出店には開業届が必要となりますので各々の出店規約を事前に細かく確認しましょう。

楽天、Yahoo以外のネットショップ媒体ではほぼ開業届の提出を出店時に義務付けてはいませんが、各プラットフォーム運営元の公式サイトでは出店者に開業届提出を推奨しています。

前述のように、理由としては出店者へコンプライアンス(法令遵守)を徹底させることと出店者の実態を公に証明させるためです。

言い換えれば、ネットショップの開業届は出店形態で分けるべきではなく、自身のショップがユーザーから信頼を得るための手段と考える方が理解しやすいかもしれません。

ネットショップで開業届を提出しておくメリット

ネットショップにおける開業届の提出は、プラットフォームの出店条件のため以外にも以下3つのメリットがあります。

  1. 就労証明・開業証明になる
  2. 屋号付銀行口座の開設
  3. メリットの多い青色申告ができる

就労証明・開業証明になる

開業届を提出することで公的な就労証明、開業証明にすることができます。

特にネットショップ運営を専業で行う方にとっては開業届の提出が無ければ公に収入や事業を行っていることを第三者に証明することができません。

就労証明、開業証明は主に次のような場面で役立つことがあります。

  • 事業資金の借り入れ・ローン審査
  • 事業所の賃貸契約
  • 保育園の入園審査

ネットショップで将来的に事業拡大を狙う上で資金調達が必要になることがありますが、銀行や政府系の金融機関から事業資金の借り入れを申し込むには「開業届」の提出は必須です。

事業資金でなくてもプライベートで高額な買い物のローンを組む場合やネットショップで事業所を賃貸契約したい場合にも、開業届の写しを審査時に求められることもあります。

また、女性であればお子さんの保育園入園に際して就労証明が必要になることがありますが、開業届を提出しておくことでお母さんがフルタイムで就労している証明書類にすることも可能です。

屋号付銀行口座の開設

開業届を提出すると屋号付の銀行口座を開設できます。

ネットショップの運営ではお客様から商品代金を銀行口座に直接振り込みして頂くことがありますが、お客様に銀行口座番号を案内する際に、個人名義の口座番号では不信感に繋がるケースも少なくありません。

今、Web上では無数のネットショップが軒を連ねていますが、人気店舗は圧倒的に法人運営のショップに偏っており、公の証明が取れない個人運営のショップは「信頼度」という面ではどうしても劣ってしまいます。

しかし、屋号付の銀行口座であれば第三者の目からみても事業用専用口座であることがわかりやすいため、ユーザーからの信頼度が得やすくなります。

メリットの多い青色申告ができる

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。

しかし、事業主にとっては白色よりも青色申告の方が圧倒的にメリットが多く、青色申告は開業届を提出していることが前提となります。

ネットショップ事業主が青色申告を行うことで得られるメリットは次の4点です。

  1. 最高65万円までの特別控除が受けられる
  2. 赤字が3年まで繰り越しOK
  3. 30万円未満までの一括経費が認められる
  4. バイトなどお手伝いの給料を経費にできる

最高65万円までの特別控除が受けられる

青色申告で受けられる一番大きな恩恵は、最高65万円までの控除が受けられることです。

税金の控除額は10万、55万、65万円の3段階あり、青色申告のみが55万円、65万円の控除を受けることができます。

ただし、65万円までの控除を受けるには複式簿記で記帳をすることが義務付けられているため、複式簿記での記帳を徹底する必要があります。

赤字が3年まで繰り越しOK

青色申告は最大3年まで赤字の繰り越しが可能となります。

仮にネットショップ開始年度に赤字が出てしまった場合には、翌年の所得を下げることで節税となります。

白色申告も赤字による損失を翌年以降に計上することは可能ですが、漁師さんなどの所得の変動が激しい職種や被災時にしか適応されません。

30万円未満までの一括経費が認められる

青色申告は30万円未満までの一括経費も認められます。

例えばネットショップ運営用に新しいパソコンを20万で購入したとしても、白色申告の場合は20万円の購入費全てを年内一括経費として認めてもらうことができません。

一般的にパソコンなどの高額商品は耐用年数が1年以上となるため、白色申告の場合は帳簿上で数年にわたって少しずつ価値を減らして計上することになります。

しかし、青色申告ならパソコンの購入費20万円全てを購入した当年内に一括で経費計上が可能なのです。

バイトなどお手伝いの給料を経費にできる

ネットショップの運営が忙しくなれば友人、知人、身内、あるいはアルバイトを雇って誰かに業務を手伝ってもらう必要も出てきます。

青色申告なら事業を手伝ってくれる人に支払う給料や報酬を経費として全額計上できますが、白色申告の場合は給与を経費として計上できません。

ただし、白色申告も確定申告時に最高86万円までなら控除が受けられます。

開業届の正しい書き方と提出のタイミング

開業届提出のタイミングは、ネットショップ開業から1ヵ月以内に行うことが推奨されています。

1ヵ月を過ぎてから提出しても問題はありませんが、予想以上に売上が上がった際に無申告でいると税務署からお尋ねがきて、追徴課税を取られることになりかねません。

ネットショップで事業拡大を狙うのであれば開業届の提出を適切に、かつ早期に済ませておく方がベストです。

開業届の提出場所は自身が住民登録を行っている所轄の税務署となります。

自宅以外でネットショップを開業する場合は事業所の所轄税務署で提出しても構いませんが、個人の場合は原則的に住民票に記載されている住所の所轄税務署が推奨されています。

開業届の書き方フォーマット

開業届の書き方はとても簡単です。 フォーマット(書式)は国税庁のホームページからダウンロードが可能で、次の①~⑫の必要事項を記入していきます。

開業届

出典:個人事業の開業・廃業等届出書

①納税地
 原則的に住民登録を行っている住所の記入を推奨。
※自宅以外の住所がある方は③にも記入
②税務署名
開業届提出予定の所轄税務署名を記入。
③①以外の事業所
自宅以外でネットショップの運営を行う方は事業所の住所を記入。
④氏名その他
 氏名、生年月日、マイナンバーを記入。
⑤職業
職業はフリーランスの方は一番収入が多いものを記入。
副業の方は「ネットショップ経営」と記載しても問題ありませんが、気になるようでしたら税務署の方に尋ねてみましょう。
⑥屋号
屋号、ショップ名でOK。
⑦届け出の区分
開業に〇を付けましょう。
⑧所得の種類
事業所得に〇を付けましょう。
⑨開業年月日
開業年月日を記入。
⑩開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
青色申告承認申請書、課税事業者届出書が必要な場合は「有」にチェック。
青色申告を予定している方は必ずここでチェックを入れるようにしてください。
課税事業者届出書については消費税課税業者になるかの届出書ですが、初年度はほぼ「無」で良いでしょう。
(※詳しくは専門家である税理士にお尋ねください。)
⑪事業の概要
例;「レディースアパレル商品 ネット販売」など具体的な事業内容を記入。
⑫給与等の支払い状況
従業員を雇う場合に給与の支払い状況について記入。
従業員を雇用すると源泉徴収を必ず行う必要があります。
源泉徴収分を年2回のタイミングでまとめて払いたい人は「有」にチェックを入れ、時期を記入。

開業届の記入方法が不明な場合は、税務署の方に尋ねてみると丁寧に教えてくれます。
税務署の担当者だからと気負いせず、気軽に質問しましょう。

ネットショップの開業届を提出しても副業バレしない対処法

2018年に政府が「モデル就業規則」を改訂した以来、副業を公に認める企業が増え始めました。

しかし、まだまだ全ての企業が副業を認めているとはいえず、業種によっては依然として副業禁止を貫いている企業も少なくありません。

副業禁止の企業に在職されている方にとっては『税務署に開業届を提出したら副業が会社にバレるのでは?』と不安になるものです。

ここではネットショップの開業届を提出しても会社に副業がバレない対処法について、お話していきます。

住民税を自身で確定申告すればOK

副業が会社にバレてしまう最も多い原因は住民税の増額です。

住民税は会社で行われる年末調整の結果をベースに決定されるため、自身で何らかの事前対策を打たなければ所得が上がると会社に知られてしまうことになります。

開業届を提出しても会社に副業がバレない対処法としては、副業の確定申告書「住民税・事業税に関する事項」欄にある住民税納付方法を「自分で納付」にチェックを入れることです。

「自分で納付」にチェックを入れることで副業所得に対して発生した住民税の納付書は自宅に届くこととなり、会社には今まで通り給与所得分に準じて算出された住民税が給与から差し引かれるだけですのでバレることはありません。

また、マイナンバーで会社に副業がばれてしまうという噂もありますが、マイナンバーの情報を元に会社側が社員の副業状況を調査することはほぼ不可能に近いです。

いずれにせよ副業に際して発生する住民税や所得税の変更について不安がある場合は、税理士など税務の専門家に詳細を確認しましょう。

失業保険の給付期間中の方は注意が必要

会社をすでに退職した方がネットショップを始める場合は会社にバレて困る心配はありませんが、雇用保険の失業給付を受けている方は注意が必要です。

そもそも雇用保険の失業給付は「再就職の意志が強固な者」という支給条件が付いています。

ネットショップに限りませんが「開業届を提出する=再就職の意志がない」とみなされますので、開業届の提出を行ったと同時に失業給付の要件から外れてしまうことになります。

万が一ハローワークに事業開始の事実が見つかった場合は「不正受給」扱いとなり、最悪の場合は既に支給された給付金の返還を求められることにもなりかねません。

ネットショップ運営開始時は売上も不安定なため失業給付金の補助があると心強いですが、後で面倒なことになるよりも開業届の提出はタイミングを見計らって行いましょう。

まとめ

今回はネットショップで開業届が必要な理由と届け出をメリット、副業バレ対策や正しい書き方も含めてお話させて頂きました。

まとめますと、ネットショップを始めるなら開業届は必要です。

主な理由は以下の2点です。

  • 年間所得20万以上なら開業届が必要
  • 出店条件に開業届提出を義務付けている媒体もあり

特に楽手市場やYahooショッピング、オークションストアへの出店には開業届の写しが必ず必要です。

ネットショップで開業届を提出するメリットは以下3点です。

  • 就労証明・開業証明になる
  • 屋号付銀行口座の開設
  • メリットの多い青色申告ができる

開業届の正しい書き方は国税局ホームページから書式をダウンロードすることが可能で書き方の見本も全て開示されています。

提出のタイミングと提出場所は次のようになります。

  • 開業届提出のタイミング:ネットショップ開業から1ヵ月以内を推奨
  • 開業届の提出場所:自身が住民登録を行っている所轄の税務署

一方、ネットショップの開業届を提出しても副業バレしない対処法としては「住民税を自身で確定申告」すればほぼバレることはありません。

ただし、失業保険の給付期間中の方は開業届を提出すると給付金の支給要件から外れるため、注意が必要です。

ここまでのお話を総合しますと、ネットショップを始めるなら開業届の提出を行う方が得られるメリットはたくさんあります。

「開業届=納税のため」ではなく、ネットショップを成功に導くために必要な、ユーザーからの信頼獲得のためのステップであると考えて迅速な対応を心がけたいものです。

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