広告なし+無料でホームページは作成できる?作り方からおすすめの方法まで解説

ビジネスの用途でホームページが必要の場合、広告が表示されていると信頼性やブランドイメージの低下につながります。
『無料で広告なしのホームページを作成する方法はあるのか知りたい』
結論をいうと、専門知識なしに始められるGoogleサイトや、自宅サーバーを構築する方法などで広告なしかつ無料でホームページを作成するのは可能です。
今回の記事では、広告なしで無料のホームページを作成する具体的な2つの方法と、それぞれの詳細な手順をまとめました。
さらに、それぞれの方法のメリット・デメリットを比較し、どちらが自分に合っているか判断できるよう解説します。
本記事を読めば、あなたのスキルや目的に最適な広告なし無料ホームページの作成方法が理解できます。
それぞれの構築方法がもつ利点・欠点を把握し、あなたにとって理想的なホームページの作成に向けて第一歩を踏み出しましょう。
※2025年8月22日:記事の情報を更新しました
広告なしでホームページを無料で作成する方法とは
広告を表示させずに無料でホームページを作るには、大きく分けて以下の2つの手法が存在します。
- Googleサイトを利用する
- 自分でDDNS+自宅サーバーを構築
それぞれの方法について理解し、自分のスキルや目的に合わせてどちらを選ぶのかをじっくり検討しましょう。
Googleサイトを利用する【おすすめ】
専門知識がなくても手軽に広告なし・無料でホームページを開設したい人は、Googleサイトの活用がおすすめです。
Googleアカウントさえ所有していれば、本来費用がかかるサーバー契約やドメイン取得が不要なのがおすすめの理由です。
また、Googleサイトの操作は直感的で、初心者でもドラッグ&ドロップでテキストや画像を配置できます。
さらに、YouTube動画やGoogleマップといったほかのサービスを、数クリックでページ内に埋め込めるのも魅力です。
ただし、デザインのテンプレートがある程度決まっており、ホームページのデザインの自由度は低いという側面もあります。
しかし、個人のポートフォリオやサークル紹介など、情報発信の場の手軽な確保が目的なら機能的には十分です。
自分でDDNS+自宅サーバーを構築
高度なスキルがあり、費用を抑えつつ最大限の自由度を求める上級者には、DDNSと自宅サーバーを活用する方法が向いています。
DDNS(Dynamic DNS)とは、自宅の変動IPアドレスに対して同じドメイン名でアクセスできるようにする仕組みです。
自宅のパソコンをWebサーバーとして構築し、外部からホームページなどにアクセスできるようにしたのが自宅サーバーです。
自宅サーバーはOSやソフトの選定・構成まで、ホームページのあらゆる要素を自分で決定できるカスタマイズ性を誇ります。
しかし、静的HTMLのホームページではなく、自宅サーバーにCMSを導入するならPHPなどのインストールが必要です。
さらに、サーバーの24時間稼働に伴う電気代や、不正アクセスを防ぐ高度なセキュリティ知識なども求められます。
構築後も保守・運用に大きな労力がかかるため、趣味で楽しみつつスキル向上を目指す人以外にはあまりおすすめできません。
広告なしでホームページを無料で作成できるGoogleサイトのメリット
広告なしでホームページを無料で作成可能なGoogleサイトのメリットは、以下のとおりです。
- 完全無料で長期的に運用可能
- コーディング不要で操作が簡単
- Googleサービスとの連携が強力
- レスポンシブ対応でスマホ表示も最適化済み
- 複数人での同時編集に対応
- Googleアカウントのセキュリティが適用
- 自動保存・変更履歴の管理が可能
無料かつ専門知識なしで使える多彩な機能を最大限に活用して、費用対効果の高いホームページ運営を実現しましょう。
完全無料で長期的に運用可能
Googleサイトはサーバー代などがかからず、無料で広告なしにホームページの作成と長期間運用をできるのがメリットです。
Googleアカウントさえあれば、追加費用も一切かからず、機能制限のある無料プランでもないため安心して利用できます。
また、別途で取得した独自ドメインの設定ができるのも、ほかの無料ホームページ作成サービスとは異なる点です。
そのため、個人での情報発信や予算が限られた団体などが、コストを気にせず気軽にホームページ作成を始められるのが魅力です。
コーディング不要で操作が簡単
専門的な知識がなくても、直感的な操作感で質の高いホームページを手軽に作成できるのがGoogleサイトの長所です。
HTMLやCSSといった専門言語は一切不要で、用意された部品をパズル感覚で組み合わせてホームページを制作できます。
テキストボックス・画像・ボタンといった基本的な要素は、画面右側のメニューからドラッグ&ドロップで配置が可能です。
プレゼンテーションソフトを扱うような感覚で、手軽にページの編集やデザインの変更を行えるため、初心者でも安心して扱えます。
あらかじめ用意されたデザインテンプレートを選び、文章や画像を差し替えるだけで見栄えのするホームページが完成します。
Googleサービスとの連携が強力
GoogleサイトはほかのGoogleサービスと連携し、専門知識なしでホームページの機能を簡単に拡張できます。
方法 | 特徴 |
---|---|
Googleドライブ・カレンダー・マップ | 書類・予定・地図などを簡単に埋め込める |
YouTube | 動画を埋め込んで再生できる |
Googleフォーム | アンケート・申し込み・問い合わせフォームを設置できる 自動でスプレッドシートに集計される |
Elfsight | SNSフィード・レビュー・チャットなど多機能ウィジェットを簡単に追加できる |
Jotform | デザイン自由なフォームを作成 決済やファイルアップロードにも対応 |
Ecwid | 商品の販売機能を追加できる 物販やデジタルコンテンツの販売が可能で、簡易ショップを作れる |
たとえば、会社や店舗の場所を示す地図を掲載したり、イベント申し込み用のフォームを設置したりする作業がスムーズに行えます。
レスポンシブ対応でスマホ表示も最適化済み
Googleサイトはレスポンシブデザインに対応しており、デバイスを問わず最適化されたホームページの表示が可能です。
レスポンシブデザインとは、パソコンやスマホなど異なる画面サイズに応じて、レイアウトが自動で調整される仕組みです。
パソコンの大きな画面で作成したWebページが、スマホの縦長画面で表示が崩れるといった心配がありません。
編集画面にはプレビュー機能が標準で備わっており、いつでもパソコン・スマホ表示をワンクリックで切り替えて確認できます。
モバイルデバイスからのアクセスが主流の現代において、特別な手間なく最適なユーザー体験を提供できるのは大きな強みです。
複数人での同時編集に対応
Googleサイトでは、複数人で1つのホームページを同時に編集できるため、チームでの共同作業を効率的に進められます。
複数人で編集する方法はGoogleドキュメントなどと同様に、共有したい相手のGoogleアカウントを編集者として招待するだけです。
Googleサイトなら、「チームで手分けしてWebページを作成」「広報担当者がコンテンツを更新」といった柔軟な運用ができます。
また、誰がどこを編集しているかが視覚的にわかるため、作業の重複や意図しない変更が起こるのを防げます。
Googleアカウントのセキュリティが適用
Googleアカウントのセキュリティ機能に保護されているため、Googleサイトは安心して利用できるのがメリットです。
作成したホームページもGoogleの堅牢なインフラ上で稼働しており、高いセキュリティレベルを誇るため安心です。
編集や管理にはログインが必須であり、2段階認証などがホームページの管理にもそのまま適用されます。
また、ホームページは自動的にSSL化されて通信が暗号化されるため、閲覧者が安全にアクセスできるのもポイントです。
手間のかかるセキュリティ上の保守・運用の労力が一切必要ないため、リソースをホームページの更新などに集中できます。
自動保存・変更履歴の管理が可能
編集内容は自動的にクラウド上へ保存され、変更履歴も記録されるため、作業中のデータが失われる心配はほとんどありません。
編集を加えるたびに自動で処理が実行されるので、手動で保存する必要がなく、効率的に作業を進められます。
仮に、誤って重要な文章を削除しても、変更履歴機能を使えばいつでも以前の状態への復元が可能です。
さらに、「版の履歴」では誰がどう変更したかを確認でき、特定の時点のバージョンをプレビューしてから復元できます。
変更履歴は意図しない変更を戻すだけでなく、ホームページデザインを試行錯誤するときにも役立ちます。
広告なしで無料ホームページが作成できるGoogleサイトのデメリット
広告なしでホームページを無料で作成可能なGoogleサイトのデメリットは、以下のとおりです。
- デザインやカスタマイズの自由度が限定的
- SEO機能がほぼない
- EC・ブログなど高度な機能が未対応
- 外部ウィジェットやプラグイン連携の制約
- ストレージ容量はGoogleアカウントに依存
- APIによる連携が不可能
- サポート機能が限定的
あらかじめデメリットを十分に理解しておき、自分の目的にGoogleサイトが合っているかどうかを慎重に検討しましょう。
デザインやカスタマイズの自由度が限定的
多くのユーザーが指摘するGoogleサイトの最大のデメリットは、デザインやカスタマイズにおける自由度の低さです。
提供されているテンプレートや基本的なレイアウトの選択肢は限られており、HTMLやCSSを直接編集する機能もありません。
そのため、企業のブランドイメージに合わせた独自性の高いデザインや、競合と差別化できる複雑なレイアウトの実現は困難です。
たとえば、「ボタンをピクセル単位で精密に配置」「特殊なWebフォントを適用」といった細部にわたる調整はできません。
細部にまでこだわったホームページを構築したい場合は、ほかの専門的な作成ツールを検討する必要があります。
SEO機能がほぼない
検索流入数を増やすための施策であるSEOに関して、Googleサイトの機能が非常に限定的なのは大きなデメリットです。
ホームページのタイトルなどの基本的なSEO設定は可能ですが、検索順位を上げるための高度な機能は備わっていません。
具体的には、「構造化データの実装」「ページの表示速度改善」「詳細なアクセス解析」などは困難です。
SEO機能が不足していると、多くの競合サイトがひしめく中で検索結果の上位に表示させるのは難しいです。
検索エンジンからの集客を事業の柱として考えているなら、SEO対策に強みをもつほかのプラットフォームをおすすめします。
EC・ブログなど高度な機能が未対応
Googleサイトには商品を販売するためのEC機能や、継続的に情報を発信する本格的なブログ機能が標準搭載されていません。
外部の決済サービスとの連携はできますが、在庫管理や顧客管理といった本格的なネットショップ運営は難しいです。
また、ブログのように「記事をカテゴリーやタグで分類」「自動でアーカイブ」などの機能もありません。
コンテンツ型のメディアやネットショップを構築する場合は、専用の機能をもつほかのサービスを検討すべきです。
外部ウィジェットやプラグイン連携の制約
ホームページの機能拡張をするためのウィジェットやプラグインの導入にも、Googleサイトは大きな制約があります。
セキュリティ上の理由から埋め込めるHTMLコードは厳しく制限されており、JavaScriptも許可されていません。
そのため、多機能な予約システムや外部のチャットサポートツールなどをホームページに組み込むのは不可能です。
さまざまなウィジェットやプラグインを利用したいなら、WordPressとレンタルサーバーの組み合わせを検討しましょう。
ストレージ容量はGoogleアカウントに依存
Googleサイトで利用できるストレージ容量は、ユーザーが使用しているGoogleアカウント全体の保存容量に依存します。
Googleサイトで使う画像やファイルは、個人のGoogleドライブ内に保存される仕組みになっているからです。
無料アカウントに付与される15GBのストレージは、GmailやGoogleフォトなどすべてのサービスで共有されます。
したがって、メール・写真・動画などが多いと、ホームページで利用できるストレージ容量は小さくなるのです。
ストレージ容量の上限に達すると、「ホームページの更新」「Gmailの送受信」などができなくなります。
APIによる連携が不可能
Googleサイトは、将来的にホームページが成長し、より高度な機能が必要になったときの拡張性に乏しいのがデメリットです。
シンプルで直感的な操作性を重視する設計思想のため、外部のシステムと連携するためのAPIなどが提供されていません。
2021年に終了した旧GoogleサイトのAPIでは、CSSを読み込ませて商品ページの一括生成などが可能でした。
しかし、現在の新しいGoogleサイトではAPIが提供されておらず、柔軟な運用ができないのが現状です。
サポート機能が限定的
ホームページで問題が発生したときのサポート体制が限定的である点も、Googleサイトのデメリットです。
無料版は電話やメールによる個別サポートは提供されておらず、問題解決は自分で行う必要があります。
そのため、「公式のヘルプコミュニティで過去の事例を検索」「ほかのユーザーに質問」などが主な解決手段です。
スキルや知識に不安がある人にとって、Googleサイトのサポート体制は非常に心許なく感じられるかもしれません。
Googleサイトで広告なしの無料ホームページを作る手順
Googleサイトならいくつかのステップを踏むだけで、誰でも簡単に広告なしの無料ホームページを立ち上げられます。
まず、Googleアカウントでログインし、Googleサイトにアクセスしてください。
「新しいサイトを作成」のセクションから「空白」のキャンバス、もしくは目的に合うテンプレートを選択してください。
なお、「テンプレートギャラリー」をクリックすると、17種類の目的別テンプレートが表示されます。
ホームページの編集画面が開いたら、右サイドバーの「挿入」パネルからアイテムを選んでページに配置します。
「タイトルや見出しを入力」「内容に応じて文章を編集」「必要な画像をアップロード」などでコンテンツを充実させましょう。
複数のWebページが必要な場合は右側の「ページ」パネルから追加すれば、自動的にナビゲーションメニューへ反映されます。
上部にあるプレビューアイコンを押せば、いつでもパソコンやスマホでホームページの表示を確認できます。
すべての編集が完了したら、画面右上の「公開」ボタンを押しましょう。
ホームページのアドレスを設定して、「公開」を押せばホームページの完成です。
広告なしでホームページを無料で作れるDDNS+自宅サーバーのメリット
広告なしでホームページを無料で作れるDDNS+自宅サーバーのメリットは、以下のとおりです。
- 通信費以外の費用が不要
- データ容量が大きい
- 高いカスタマイズ性・拡張性
- 運用スキルを習得可能
- 覚えやすいサブドメイン
コストがかからず容量の制限もないDDNS+自宅サーバーで、完全オリジナルのホームページを実現しましょう。
通信費以外の費用が不要
DDNSと自宅サーバーの組み合わせなら、普段使っている通信費以外のコストがゼロでホームページを運用できます。
無料DDNSでは、自宅のインターネット回線の動的IPアドレスとドメインを自動で結びつけられるからです。
たとえば、使わなくなったパソコンなどを再利用すれば、初期投資をほとんどかけずにサーバー環境の構築が可能です。
スペックが低いノートパソコンでも、軽量なLinuxディストリビューションをインストールすればサーバーとして動作します。
データ容量が大きい
ホームページの公開に自宅サーバーを利用すると、データ容量を実質的に自由に決められるのが大きなメリットです。
レンタルサーバーでは契約プランごとにデータ容量の上限が設定されていますが、自宅サーバーでは制限がありません。
サーバーとして使用するパソコンに内蔵されているハードディスクの容量が、ホームページで使えるデータ容量となります。
たとえば、大容量のハードディスクを用意すれば、高画質の写真や長時間の動画ファイルも気兼ねなく公開できます。
高いカスタマイズ性・拡張性
自宅サーバーはOSの選定からWebサーバーソフトの導入まで、すべてを思い通りに構築できる高いカスタマイズ性が特徴です。
レンタルサーバーでは、Linux・各種Webサーバーソフト・MySQL・PHPといった環境が一般的です。
しかし、自宅サーバーなら各種データベースや、Python・Rubyといったプログラミング言語も自由に組み合わせられます。
あとから機能を追加したり設定を変更したりするのも自由自在なので、目的に合わせた柔軟な拡張が可能です。
運用スキルを習得可能
自宅サーバーの構築と運用は、サーバーやネットワークに関する実践的な知識と技術を身につける絶好の機会です。
OSのインストール・ネットワーク設定・セキュリティ対策まで、すべて自分で行う必要があるためです。
自宅サーバーの構築プロセスを通じて、ポート・DNS・プロトコルなどインターネットの仕組みを深く理解できます。
自宅サーバーの構築で得られるスキルは、インフラエンジニアを目指すなら価値のある経験となるでしょう。
また、LinuxのCUI環境に慣れれば、プログラマーに必須のログの調査や大量ファイルの一括処理のスキルも身につきます。
なお、CUI(Character User Interface)とは、文字入力でコンピュータを操作するインターフェースです。
覚えやすいサブドメイン
無料DDNSを利用すると、数字の羅列であるIPアドレスの代わりに、覚えやすい文字列のサブドメインが取得できます。
DDNS提供のドメインの一部を借りる形で、「好きな文字列.ddns.ne.jp」のようなアドレスの作成が可能です。
DDNSのサブドメインを使えば、動的IPアドレスの自宅のインターネット環境でも、ホームページを公開できます。
独自ドメインの取得には費用がかかりますが、サブドメインであれば無料で利用できるDDNSがいくつも存在します。
広告なしでホームページを無料で作れるDDNS+自宅サーバーのデメリット
広告なしでホームページを無料で作れるDDNS+自宅サーバーのデメリットは、以下のとおりです。
- 停電・再起動・IPアドレス変更などでホームページが停止
- 運用・保守の大きな負担
- セキュリティリスク・脆弱性
- 自宅のIPアドレスが常に公開
- HTML・CSSのスキルが必須
自宅サーバーはすべて自分で構築・運用する必要があるため、現在のスキルを確認してから採用を検討しましょう。
停電・再起動・IPアドレス変更などでホームページが停止
自宅サーバーの最大のデメリットは、脆弱な稼働環境に起因する予期せぬホームページ停止リスクの高さです。
自宅サーバーの代表的な停止リスクについて、以下の表にまとめました。
リスク | 内容 |
---|---|
停電・電源断 | 自宅の電源が落ちるとサーバーも停止し、ホームページが閲覧できなくなる |
再起動・クラッシュ | OSやハードウェアの不具合で突然再起動・フリーズすると、サービスが中断される |
IPアドレスの変更 | プロバイダーからの動的IPアドレス変更により、ドメインと接続できなくなりアクセス不能になる |
ネット回線の障害・遅延 | 回線トラブルや通信制限により、接続できなくなったり表示速度が極端に遅くなったりする場合がある |
機器の劣化・故障 | 長時間稼働によるHDD・SSD・ファンなどの劣化で、物理的な停止やデータ消失のリスクがある |
商用のレンタルサーバーとは異なり、家庭向けの電力供給や通信回線は24時間365日の安定稼働を保証していません。
たとえば、「落雷による瞬電」「パソコンの再起動」が発生すると、手動で復旧させるまでホームページは閲覧不能となります。
ほかにも、パソコンではなくルーターの不具合による通信障害で、サーバーに接続できない事態もありえます。
常に安定した情報発信を求めるのであれば、物理的・システム的な不安定さは致命的な欠点となるのを理解しておきましょう。
運用・保守の大きな負担
自宅サーバーの安定稼働を維持するための運用と保守には、専門的な知識と継続的に多大な労力が求められます。
自宅サーバーの運用・保守にかかる労力について、以下の表にまとめました。
作業内容 | 労力の概要 |
---|---|
ソフトウェアの更新 | OS・Webサーバー・CMSなどの脆弱性対策や定期アップデートが必要 |
セキュリティ対策 | ファイアウォール設定・ポート管理・不正アクセス監視など、継続的な対応が求められる |
障害対応 | 停電・クラッシュ・ネット障害発生時に即対応しなければならない |
バックアップ管理 | データ消失に備えた自動バックアップ設定と、定期的な確認が必要 |
稼働状況の監視 | サーバーの負荷・応答速度・異常検知のためのログ監視や、モニタリングが日常的に求められる |
ハードウェアの点検・交換 | ファン・HDDなど物理部品の経年劣化に備えた点検・交換対応が必要 |
上記の表の作業内容について、自宅サーバーを運用するなら自分一人の責任で完結させなければなりません。
たとえば、休日にサーバートラブルが起き、モニタリングシステムからメールが届くなど気が休まらないのが難点です。
管理者としての責任を一人で担い続ける覚悟と時間がなければ、自宅サーバーの運用はきわめて困難です。
セキュリティリスク・脆弱性
自宅サーバーを構築し、ホームページをインターネットに公開するのは、大きなセキュリティリスクをはらみます。
「サーバーの初期設定に不備」「OSやソフトウェアの脆弱性を放置」などは、悪意のある第三者にとって絶好の攻撃対象です。
実際に、自宅サーバーが第三者から攻撃を受けると、以下の表のような被害に遭う可能性があります。
被害内容 | 概要 |
---|---|
サーバー停止 | 攻撃によりリソースが枯渇し、ホームページが表示されなくなる |
データ漏えい | 脆弱性を突かれ、保存していた個人情報やファイルが外部に流出する可能性がある |
不正利用 | サーバーが乗っ取られ、スパムメールの送信やマルウェア配布などに悪用される |
法的責任の発生 | 攻撃者にサーバーを踏み台にされ第三者に被害が出た場合、管理者に責任が及ぶ可能性がある |
検索エンジンからの除外 | 改ざん・不正配信などによりGoogleなどからブラックリスト扱いされ、検索結果に表示されなくなる恐れがある |
ファイアウォールの設定や不正アクセス検知システムの導入など、多層的なセキュリティ対策を構築する知識が不可欠です。
自宅のIPアドレスが常に公開
DDNSを利用して自宅サーバーを運用するのは、自分の割り振られたグローバルIPアドレスを世界中に公開するのと同義です。
「nslookup」などのDNSルックアップを利用すれば、ドメインから自宅サーバーのIPアドレスがわかるためです。
IPアドレスが第三者に知られてしまうと、同じネットワーク内のほかのパソコンまで攻撃にさらされる危険性があります。
リスクを最小化するには「不要なポートは閉じる」「ポートフォワーディングを厳密に設定」など、十分な知識が必要です。
HTML・CSSのスキルが必須
自宅にサーバーを構築するのは土台作りに過ぎず、ホームページを制作するにはHTMLやCSSのスキルが別途必要になります。
ドラッグ&ドロップで操作できるホームページ作成サービスとは異なり、自宅サーバーではCMSの選定などが不可欠です。
MySQL+PHP環境を構築し、WordPressをインストールしてホームページを作成するのがおすすめの方法です。
WordPressならテンプレートが使用できますが、細かなカスタマイズにはやはりCSSとHTMLの知識が求められます。
また、動作についてもカスタマイズしたい場合は、プラグインの導入やfunctions.phpの編集も欠かせません。
そのため、HTMLやCSS以外にも、PHPやJavaScriptの知識やスキルもあると本格的なホームページが作れます。
DDNS+自宅サーバーによる広告なしの無料ホームページの作り方
DDNS+自宅サーバーによる広告なしの無料ホームページの作り方は、以下のとおりです。
- Webサーバーソフトの選定・インストール・設定
- DDNSへの登録
- ルーターのポートを開放などの設定
- DDNSクライアントのインストール・設定
- CMSを利用してホームページを作成
昔と異なり環境構築がGUIで行えて比較的容易なため、着実にステップを踏んで広告なしのホームページを作りましょう。
1.Webサーバーソフトの選定・インストール・設定
まず、自宅のパソコンをサーバーとして機能させるためのWebサーバーソフトウェアを選び、導入する作業です。
Webサーバーソフトウェアは、インターネットからの閲覧要求に応じて、ホームページのデータを送信する心臓部です。
代表的なWebサーバーソフトウェアを、以下の表にまとめました。
名前 | 特徴 |
---|---|
Apache HTTP Server | 開発者多数 モジュール式で柔軟にカスタマイズ可能 .htaccess対応 広いOS対応 |
Nginx | 高速・高性能 リバースプロキシやロードバランサーとしても利用可能 イベント駆動型で同時接続に強い |
LiteSpeed Web Server | Apache互換設定をそのまま利用可能 高速・キャッシュ機能内蔵 商用版あり |
Lighttpd | 軽量・低メモリ・イベント駆動で高速 静的ファイル配信やCGI/FastCGIサポートが得意 |
Phusion Passenger | Ruby・Python・Node.jsの実行に最適化されたアプリケーションサーバーで、ApacheやNginxと統合可能 |
Microsoft IIS (Internet Information Services) | Windowsに標準搭載でASP.NET対応 Active Directoryなどとの統合が強力で企業向け |
現在、自宅サーバーを構築するなら枯れた技術であるApacheか、互換性のあるLiteSpeedがおすすめです。
WordPressを利用予定なら、LiteSpeedは高速化プラグイン「LiteSpeed Cache」が効果的なのが大きな理由です。
インストール完了後はhttpd.confなどのファイルを編集し、どのディレクトリを公開するのかを設定しましょう。
なお、近年はGUIで設定・管理画面を開けるWebサーバーソフトウェアもあるため、選定の検討ポイントにしてください。
2.DDNSへの登録
自宅のインターネット回線に割り当てられる動的IPアドレスに対し、固定のドメイン名を紐づけるDDNSに登録します。
家庭用のインターネット接続ではIPアドレスが定期的に変更されるため、DDNSを利用しないとドメインを設定できません。
無料で利用できるDDNSを以下の表にまとめました。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
DDNS Now | 短いドメイン「f5.si」を匿名で取得でき、IP更新に制限なし |
MyDNS.JP | 日本国内向けでサブドメインを無料で提供 POP3/FTPなど複数の通知方法をサポート |
Dynu | 永久無料でWeb管理パネルあり API対応や豊富なDNSレコード・リダイレクト機能が特徴 |
No-IP | 最大3つのホスト名が利用可能 定期ログインによる更新が必要 |
ClouDNS | DNSホスティングの全プランにDDNSが無料で含まれる |
DDNSを選ぶときは、「長年の運営実績があるか」「ドメイン名が覚えやすいか」の2点を検討しましょう。
また、一定期間内に更新がないとドメインが削除されるDDNSもあるため、詳細な条件についても公式ホームページで確認してください。
3.ルーターのポートを開放などの設定
外部のインターネットから自宅のサーバーへ接続できるように、80番ポートを開放するルーターの設定を行います。
80番はHTTP通信のためのポート番号となっており、WAN側からLAN側への接続をするために開放します。
くわえて、受け取った通信をLAN側のローカルIPアドレスに転送するポートフォワーディング設定も必要です。
なお、外部からFTP・SSH接続をしたい場合、プロトコルに対応するポートを開放するなどの設定も求められます。
4.DDNSクライアントのインストール・設定
自宅のIPアドレスが変更されたときに、DDNSへ自動的に通知するためのDDNSクライアントを導入・設定します。
DDNSクライアントはIPアドレスの設定した間隔で監視し、変更があるとDDNSへ反映する役割を果たします。
通常はDDNSサービスが公式のクライアントソフトを提供しており、インストールしてアカウント情報を設定すれば利用可能です。
ほかに、無料で利用できる代表的なDDNSクライアントを、以下の表にまとめました。
クライアント名 | 特徴・対応内容 |
---|---|
ddclient | Perl製で多数のDDNSサービスに対応 設定ファイルで柔軟に管理可能 |
ddns-updater | Go製でWeb UIあり 複数のプロバイダーに対応し、Dockerでも利用可能 |
dsddns | IPv4・IPv6の両対応し、複数DNSサービスをサポート 家庭用ネット環境に適する |
なお、2000年代によく利用されていたDDNSクライアント「DiCE」ですが、更新が止まっています。
5.CMSを利用してホームページを作成
サーバーの公開設定が完了したら、ホームページのコンテンツを効率的に作成し管理するためのCMSを導入します。
CMSを導入すればHTMLやCSSの専門知識がなくとも、ブログを書くような感覚でホームページの作成や更新が可能です。
世界で圧倒的なシェアを誇るCMS「WordPress」の導入が、広告なしのホームページではもっともおすすめとなります。
「情報が豊富」「インストールが簡単」「さまざまな機能をプラグインで実装できる」などが、推奨する理由です。
なお、CMSの導入にはMySQLやPHPのインストールと設定も必要となるので、留意しておきましょう。
広告なしの無料ホームページ作成に関するよくある質問
広告なしの無料ホームページ作成に関するよくある質問は、以下のとおりです。
- 独自ドメインを取得して広告なしの無料ホームページは作れる?
- 広告のない無料サーバーはある?
- 無料のホームページ作成アプリ・ツールはある?
- 無料のホームページをスマホだけで作れる?
あらかじめ疑問や不安を解消し、あなたの理想を実現できるホームページ作成方法を見つけ出しましょう。
独自ドメインを取得して広告なしの無料ホームページは作れる?
独自ドメインを取得し、広告なしの無料ホームページ作成サービスへ設定したり、Googleサイトに紐づけたりできます。
ただし、ホームページ作成サービス自体は無料で利用できても、独自ドメインの取得と維持には別途費用が発生します。
また、自宅サーバーの場合は独自ドメインの設定が有料のDDNSもあるため、公式ホームページを確認して慎重に選びましょう。
広告のない無料サーバーはある?
広告表示が義務づけられていない無料のレンタルサーバーについて、以下の表にまとめました。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
InfinityFree | PHP/MySQL対応・5GBディスク・無制限帯域・複数サブドメイン対応 |
Neocities | 静的サイト向け・1GBストレージ・200GB帯域幅 |
ただし、上記のレンタルサーバーはどちらも英語のみ対応しており、日本語のサポートは受けられません。
無料のホームページ作成アプリ・ツールはある?
専門知識がなくてもホームページを作成できる、無料のアプリやツールは数多く提供されています。
無料のホームページ作成サービスでは、直感的な操作でWebサイトを制作できるのが特徴です。
無料で利用できる代表的なホームページ作成サービスは、以下のとおりです。
- ペライチ
- ジンドゥー
- WordPress.com
- Goope
- STUDIO
多くは無料プランでも基本的なホームページの公開が可能ですが、独自ドメインの利用や機能追加は有料となる場合が多いです。
無料のホームページをスマホだけで作れる?
近年はパソコンを使わず、スマホだけでホームページを無料で作成し、公開まで完結させられます。
多くのホームページ作成サービスが、スマホのブラウザ表示に最適化されているか、専用の編集アプリを提供しているためです。
たとえば、Wixやジンドゥーは、スマホアプリを使ってテンプレートの選択・テキスト編集、公開設定までを行えます。
通勤時間などのスキマ時間を利用して手軽に更新できるため、ブログや小規模な店舗のホームページ運営に適しています。
まとめ
広告を表示させずに無料でホームページを立ち上げるには、専門知識が不要なGoogleサイトを利用する方法がおすすめです。
もしくは、DDNSと自宅サーバーを組み合わせてサーバー環境を構築すれば、オリジナルのホームページを公開できます。
前者は手軽さと速さを重視する初心者向け、後者は自由度とカスタマイズ性を追求する上級者向けの選択肢です。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、自分の目的やスキルに合わせて最適な手段を見極める必要があります。
Googleサイトや自宅サーバー+DDNSといった方法を参考に、無料で広告なしのホームページを実現しましょう。
また、当サイト「ビズサイ」ではホームページ制作サービス(サブスクリプション)を提供しています。
制作費は無料でオリジナルデザインのホームページを作成しており、月額費用は5,478円(税込)からです。
専門知識がない方でも、保守管理や更新代行などのサポートをしているので、安心してホームページの運営ができます。
本格的なホームページを作成して運営をご希望の方は、ビズサイにお任せください(ホームページ制作サービスの詳細を見る)。
まずは無料でご相談ください。
お問い合わせ・ご相談や、公開後の修正依頼などに関しては、いずれかの方法にてお問い合わせください。
※年末年始・土日祝は定休日となります
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