コーポレートサイトリニューアルの目的とは?失敗しない進め方や費用相場を解説

  
コーポレートサイトリニューアルの目的とは?失敗しない進め方や費用相場を解説

企業の顔であるコーポレートサイトの老朽化やリニューアルの進め方に、頭を抱えている担当者は少なくありません。

『リニューアルの具体的な手順とスケジュール感を知りたい』
『自社の規模感に合った費用相場を知り、予算を確保したい』
『リニューアルする目的・メリットを教えて』

上記の疑問に答えるため、今回の記事では、リニューアルの目的・進め方・費用相場・失敗しないための注意点などをまとめました。

本記事を読めばリニューアルを成功に導き、売上アップや採用強化といった具体的な成果を出すための道筋が明確になります。

まずは自社のコーポレートサイトが抱える課題を整理し、あるべき姿を描くフェーズから始めましょう。

※2025年12月17日:記事の情報を更新しました

コーポレートサイトのリニューアルを行う目的とメリット

コーポレートサイトのリニューアルを行う目的とメリットは、以下のとおりです。

  • 企業イメージの刷新
  • 求職者への訴求強化
  • 見込み顧客の獲得
  • 株主・取引先からの信頼性を担保

経営課題を解決する戦略的な投資として、まずはリニューアルの目的を明確に定義しましょう。

企業イメージの刷新

コーポレートサイトのデザインやメッセージを刷新すれば、変化の激しい市場環境にも適応できるDX先進企業のイメージを演出できます。

逆に、「スマホ対応が不十分」「デザインが古い」などの場合、停滞している企業というネガティブなレッテルを貼られかねません。

リブランディングを伴うリニューアルはミッション・ビジョン・バリューを視覚化し、ステークホルダー(利害関係者)へ直感的に伝える手段です。

コーポレートサイトを通じて信頼感を演出するのは、ビジネスの持続可能性を高めるために欠かせない条件です。

求職者への訴求強化

日本の労働人口が減少するなかで、コーポレートサイトは高騰する採用コストを抑制するための採用オウンドメディアとなるべきです。

求職者はエージェントや求人サイトで知った情報を、公式サイトの採用ページで裏取りする傾向にあります。

そのため、社員の1日・キャリアパス・福利厚生などを掲載し、入社後の姿をイメージできるコンテンツが必要です。

自社のカルチャーや抱えている課題までを正直に開示すれば、スキルだけでなく価値観がマッチした人材を引き寄せられます。

『ここで働きたい』と感情を動かすストーリーテリングのコンテンツを作り、採用競合に打ち勝ちましょう。

見込み顧客の獲得

現代のコーポレートサイトは24時間365日休まず稼働し、見込み顧客を自動的に獲得する有能な営業装置です。

リニューアルによって顧客の検討フェーズに合わせた導線を再設計し、ホワイトペーパーや事例集への遷移率を高めましょう。

たとえば、顧客の課題に対し、専門的な知見で解決策を提示する記事を投入すれば企業としての信頼残高が蓄積されます。

また、SEOをサイト構造レベルから見直せば、広告費をかけずとも購買意欲の高いユーザーを自然検索から継続的に集客できます。

MAツールと連携しやすい設計にしておくと、獲得したリードの行動を追跡し、効率的な育成が可能です。

営業マンが寝ていてもコーポレートサイトが商談を作ってくれるといった状態を目指すのが、デジタル時代の勝ち筋です。

株主・取引先からの信頼性を担保

上場企業やIPOを目指す成長企業にとって、コーポレートサイトはガバナンスの透明性を証明するIRの基盤です。

決算短信・有価証券報告書・ESGをタイムリーかつ見やすく開示すれば、株主や機関投資家からの信頼獲得に直結します。

さらに、新規の取引先が与信管理としてコーポレートサイトを確認するとき、情報の鮮度は経営の安定性を印象づけます。

近年ではセキュリティ対策も重要視されており、常時SSL化やプライバシーポリシーの明示はコンプライアンスを示す最低条件です。

ステークホルダーとの強固な信頼関係は、不祥事や市場変動などの不測の事態において、セーフティーネットとなります。

コーポレートサイトのリニューアルを検討すべき適切なタイミング

コーポレートサイトのリニューアルを検討すべき適切なタイミングは、以下のとおりです。

  • 既存Webサイトのデザイン・機能の老朽化
  • コアウェブバイタルへの対応不足
  • 事業拡大・経営統合
  • セキュリティリスク

機会損失を防ぎ、将来的なリスクを回避するために、コーポレートサイトの最適なリニューアル時期を見極めましょう。

既存Webサイトのデザイン・機能の老朽化

Webの世界では3年〜5年で技術トレンドやデザインの流行が一巡するため、それ以上経過するとリニューアルのタイミングです。

デザインの陳腐化はユーザーに古臭いと感じさせるだけでなく、直帰率・滞在時間にも悪影響を及ぼします。

特にCMSのバージョンが古いと、「セキュリティパッチの提供終了」「最新サーバーに未対応」などの事態になりかねません。

ほかに、コーポレートサイトが特定の社員しか触れないブラックボックス化が進んでいるなら、担当者の退職リスクがあるため危険信号です。

さらに、機能が古いと最新のマーケティングツールを導入しようとしても、システムが障壁となり連携できないケースも多発します。

機会損失を防いで社内の業務効率を改善するには、システムが限界を迎える前に、計画的なリニューアル投資を行うべきです。

コアウェブバイタルへの対応不足

コアウェブバイタルへ対応できていないコーポレートサイトは、リニューアルで大きくアクセスやコンバージョンを伸ばせるかもしれません。

Googleが検索アルゴリズムで導入した「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」は、ユーザー体験を定量的に評価する重要指標です。

また、表示速度・応答性・視覚的安定性はSEO評価だけでなく、コンバージョンにも大きく影響します。

対応すべきコアウェブバイタルへの主な対策を、以下の表にまとめました。

指標 改善策
LCP(表示速度)
  • サーバー応答速度を高速化(CDN・キャッシュ・HTTP/3導入)
  • レンダリングをブロックするCSS/JSを最小化・非同期化
  • 画像をWebP/AVIF形式に変換し遅延読み込み
  • フォントはfont-display: swap + WOFF2を使用
  • クリティカルCSSをインライン化
INP(応答性)
  • JavaScriptの実行量を削減(コード分割・遅延読み込み)
  • 長時間タスクをWeb Workerに移行
  • 不要なポリフィル・ライブラリを削除
  • サードパーティスクリプトを最適化・遅延実行
  • 入力イベント処理を軽量化
CLS(視覚的安定性)
  • 画像・動画・iframeにwidth/height属性を指定
  • aspect-ratioプロパティでアスペクト比を固定
  • 広告・埋め込みコンテンツ用にプレースホルダーを確保
  • フォント読み込みでfont-display: swapを使用
  • 動的コンテンツ挿入時に予約領域を確保

根本的なサーバー構成の見直しや、ソースコードの軽量化を含むフルリニューアルこそが、費用対効果の高い解決策です。

事業拡大・経営統合

M&Aによる経営統合・ホールディングス化や新規事業の立ち上げ時は、サイト構造を抜本的に再設計する最大の好機です。

異なる企業文化やブランドガイドラインを統合し、統一されたトンマナやイメージの市場への発信が必要だからです。

事業ごとの縦割り構造を解消し、関連事業へのクロスセルを促すような、回遊性の高いサイトマップを設計し直しましょう。

逆に、古い組織図や矛盾した情報が残ったままだと、ガバナンスの欠如を疑われて統合後のプロセスの阻害要因となります。

企業の成長フェーズの変化に合わせ、情報を発信する器であるWebサイトも拡張可能な構造へと進化させるべきです。

セキュリティリスク

セキュリティ対策を主目的としたコーポレートサイトのリニューアルは、守りの投資であると同時に、事業継続計画の一環でもあります。

サイバー攻撃は日々高度化しており、旧バージョンのCMSやミドルウェアを利用し続けるのは、経営上の重大なリスク要因です。

たとえば、世界シェアの高いWordPressなどは脆弱性が発見されやすく、アップデートを怠ると攻撃対象になります。

万が一、顧客情報の流出やWebサイトの改ざんが発生すれば、巨額の損害賠償だけでなく社会的信用の失墜につながりかねません。

また、問い合わせフォームへの大量スパム送信を防ぐための対策も、業務効率を守るために不可欠です。

リニューアルのプロジェクト開始前にすべき社内調整

コーポレートサイトのリニューアルプロジェクト開始前にすべき社内調整は、以下のとおりです。

  • 経営層・各部署へのヒアリング
  • プロジェクトメンバーの選定・役割分担
  • 予算・スケジュールの決定

リニューアル成功の鍵は事前の根回しにあるため、関係各所との同意を得ましょう。

経営層・各部署へのヒアリング

あらかじめ経営層・各部署へのヒアリングをするのは、大切な社内調整の一環です。

リニューアルプロジェクトの失敗の多くは、技術的な問題ではなく、社内の合意形成不足という政治的な要因に起因します。

経営層には見た目の変更ではなく、成果に直結する経営課題の解決策だと伝え、KGI(重要目標達成指標)を押さえましょう。

営業・広報・人事などの各部門からは、コーポレートサイトへの不満だけでなく、本来の理想の業務フローを聞き出すのが重要です。

各部署の要望は往々にしてトレードオフになるため、優先順位を決めるための判断軸を早期に確立します。

ステークホルダーマップを作成し、誰がキーマンでどのタイミングで承認を得るべきかを可視化しておくと手戻りを防げます。

プロジェクトメンバーの選定・役割分担

コーポレートサイトのリニューアルは、マーケティング・コンテンツ制作・法務などの総合的なスキルが求められます。

役割分担が曖昧だとプロジェクトが停滞するため、以下の表を参考に体制を構築しましょう。

役割名 主な責任範囲・タスク
プロジェクトオーナー 最終的な意思決定・予算承認・プロジェクトの方針決定
プロジェクトマネージャー スケジュール管理・社内調整・制作会社との窓口・品質管理
技術・インフラ担当 サーバー/ドメイン管理・セキュリティ要件の策定・システム連携
コンテンツ担当 原稿執筆・素材提供・監修・インタビュー対応
法務・コンプライアンス プライバシーポリシーの確認・著作権チェック・契約書確認

役割は通常業務との兼任が一般的ですが、リニューアル期は業務負荷が跳ね上がるため一時的な業務調整やリソース確保が必要です。

予算・スケジュールの決定

コーポレートサイトのリニューアル費用は制作費だけでなく、数年間のランニングコストも含めた総額で試算・決定しましょう。

要求定義が形になるにつれて機能追加の要望が出る傾向にあるため、10%〜20%程度の予備費を確保しておくのが定石です。

スケジュールは要件定義・設計・制作・テストという各フェーズに加え、社内確認にかかるリードタイムを長めに見積もります。

特に写真撮影や原稿作成は社内リソースに依存するため、ボトルネックとなって公開延期になるケースがあとを絶ちません。

すべてを一度に公開せず、フェーズ1で最低限の機能をリリースし、フェーズ2で機能拡張を行う段階的リリースも有効な手段です。

失敗しないコーポレートサイトリニューアルの進め方

失敗しないコーポレートサイトリニューアルの進め方は、以下のとおりです。

  1. 現状の課題分析とKGI・KPIの設定
  2. RFP(提案依頼書)の作成
  3. ホームページ制作会社の選定
  4. CMSの検討
  5. Webサイト構造の設計
  6. ワイヤーフレーム作成
  7. デザイン・コーディング
  8. 公開前のテスト

失敗しないためにも正しい手順を踏んで手戻りを防ぎ、成果の出るコーポレートサイトを構築しましょう。

1.現状の課題分析とKGI・KPIの設定

感覚・主観に頼らず、プロジェクトの羅針盤となるデータに基づいた課題分析と目標設定を社内で行いましょう。

Googleアナリティクスやサーチコンソールを用い、流入経路・閲覧ページ・離脱ポイントなどを定量的に把握します。

KGIには売上貢献額や採用エントリー数などを据え、達成するためのKPIとして資料請求率・ユニークユーザー数・滞在時間を設定しましょう。

さらに、競合サイトを3社〜5社ベンチマーク分析し、機能・コンテンツ・デザイン・SEO強度を比較して戦略を練ります。

明確な数値目標を設定し、制作会社との共通の認識をもち、提案の質やリニューアル後の効果検証の精度が向上するよう努めましょう。

2.RFP(提案依頼書)の作成

質の高い提案を引き出し、発注後のトラブルを防ぐために、詳細なRFPを社内で作成しましょう。

RFP(提案依頼書)とは、システム開発や業務委託などで、発注者が受注者に向けて作成する文書です。

RFPに以下の項目を網羅的に記載すれば、精度の高い提案や見積もりが期待できます。

項目 内容
プロジェクト概要 背景・目的・解決したい課題
ターゲット ペルソナ詳細・属性・悩み・行動パターン
予算 最大予算・希望予算
納期 希望公開日とマイルストーン、中間確認日など
機能要件 CMS・フォーム・検索などの必須機能と希望機能
技術要件 サーバー環境・ドメイン・セキュリティ基準・ブラウザ対応範囲
デザイン要件 トンマナ・参考サイト・NGデザイン
制作範囲 写真撮影・原稿作成・データ移行・翻訳の有無
選定基準 何を重視してパートナーを選ぶか

特に現行サイトのシステム構成・データ移行の要否・セキュリティ基準など、非機能要件を明記するのが精度を高める鍵です。

また、抽象的な要望ではなく必須機能とあればよい機能を区分けし、優先順位を提示するのもポイントです。

RFPの書き方は、以下の記事が参考になります。

3.ホームページ制作会社の選定

制作パートナー選びは技術・デザイン力だけでなく、「ビジネスへの理解度」「プロジェクト遂行能力」を厳しくチェックしましょう。

実績ページを見るときは、同業種の事例だけでなく、類似した課題を解決した実績があるかを確認します。

提案プレゼンでは自社の要望をなぞるだけでなく、プロ視点からプラスアルファの提案やリスクの指摘ができるかを評価します。

また、担当ディレクターのコミュニケーション能力やレスポンスの速さは、プロジェクトの円滑な進行を左右する重要な要素です。

さらに、開発体制が完全内製か一部外注かを確認し、緊急時の対応スピードやセキュリティ管理体制も考慮してください。

料金だけでなく、公開後の保守運用まで含め、長期的なパートナーとして信頼できるホームページ制作会社を選ぶのがコツです。

4.CMSの検討

Webサイトの運用効率と拡張性を左右するCMSの選定は、リニューアルにおける技術的な最重要決定事項の一つです。

ホームページ制作会社とプロジェクトマネージャーで、自社のコーポレートサイトに最適な選択肢を検討してください。

コーポレートサイトで利用される代表的なCMSを、以下の表にまとめました。

CMS 特徴
WordPress
  • 世界シェア最大級のオープンソースCMS
  • 豊富なプラグインとテーマでカスタマイズ容易
  • 初心者でも直感的に操作可能
  • SEO対策に強い
ShareWith
  • コーポレートサイト特化のクラウドCMS
  • 国産クラウドCMSで上場企業導入数No.1
  • 多言語対応と承認フロー完備
  • IR自動更新機能搭載
Concrete CMS
  • 直感的な編集インターフェース
  • ブロックベースでドラッグ&ドロップ操作可能
  • セキュリティが高く大規模サイト向き
Drupal
  • 高度なセキュリティとスケーラビリティ
  • 複雑なコンテンツ構造に適する
  • 多ユーザー管理機能充実
HubSpot CMS
  • マーケティングオートメーション連携
  • SEO最適化ツール内蔵
  • 無料プランありで中小企業向き

一例を挙げると、将来的にCRMやMAツールと連携する予定があるかどうかも、CMS選定の重要な判断基準です。

5.Webサイト構造の設計

基本的にはホームページ制作会社の仕事ですが、プロジェクトマネージャーもWebサイト構造を確認するようにしてください。

SEO効果を最大化し、ユーザーを迷わせないためには、論理的で拡張可能なサイト構造の設計が必要です。

トップページから大カテゴリー・中カテゴリー・詳細ページへと、情報が整理されたピラミッド型の階層構造を構築しましょう。

ユーザーが目的の情報に3クリック以内で到達できる導線設計を意識し、パンくずリストなどで現在地を明確にしてください。

URLは人間が見ても内容がわかるシンプルな英語表記に統一し、日本語URLは避けるのが無難です。

Webサイト設計のやり方は、以下の記事をご覧ください。

6.ワイヤーフレーム作成

ホームページ制作会社が作るワイヤーフレーム(画面設計図)は、情報の配置と優先順位を決定するWebサイトの骨組みです。

パソコン画面だけでなく、スマホでの表示速度や操作性を考慮したモバイルファーストで設計するのが大切です。

成約につながるコンバージョンボタンの位置や、行動喚起を促すCTAエリアの内容など、成果に直結する要素を戦略的に配置します。

なお、この段階で実際の原稿量や画像サイズを想定しておかないと、デザイン段階で文字が入らないなどの手戻りが発生します。

社内の合意形成はワイヤーフレーム作成時に行い、デザイン着手後はレイアウトの大幅な変更を行わないようにしましょう。

ワイヤーフレームの作成方法は、以下の記事で解説しています。

7.デザイン・コーディング

ホームページ制作会社が担当するデザインフェーズでは、企業イメージに基づき、信頼感や先進性を視覚的に表現します。

また、「視線の動きを意識したレイアウト」「可読性の高いフォント選び」など使いやすいユーザーインターフェースが重要です。

コーディングフェーズではHTML・CSSなどを用い、国際基準に準拠したわかりやすく正しいコードを作成します。

パソコン・タブレット・スマホやさまざまなブラウザで、崩れずに表示されるレスポンシブデザインが現在の主流です。

さらに、ページの読み込み速度を高速化するために、画像の遅延読み込みやコードの圧縮などの技術的な最適化も施します。

コーポレートサイトのデザイン例は、以下の記事で解説しています。

8.公開前のテスト

コーポレートサイト構築後のテスト工程は、品質保証の最終砦であり、十分な期間とチェック体制を確保する必要があります。

公開前のテストでチェックするポイントについて、以下の表にまとめました。

項目 チェックポイント
表示確認
  • 全ページのレイアウト崩れがないか
  • パソコン・タブレット・スマホでのレスポンシブ対応
  • ブラウザ別での表示差異
リンク確認
  • 内部リンク・外部リンクの飛び先が正しいか
  • アンカーリンクの動作
  • 404エラーページの表示
機能確認
  • お問い合わせフォームの送信・エラー表示
  • 検索機能の動作
  • PDFダウンロードの可否
  • アニメーション・モーダルウィンドウの動作
コンテンツ確認
  • 文字化け・誤字脱字の有無
  • 画像の表示・代替テキスト設定
  • 動画・音声の再生確認
パフォーマンス確認
  • ページ読み込み速度
  • 画像最適化の効果
  • キャッシュ設定の動作
SEO確認
  • タイトル・メタディスクリプションの設定
  • h1〜h6の見出し構造
  • alt属性の設定
  • canonicalタグの有無
セキュリティ確認
  • SSL(https)の適用
  • 入力フォームのバリデーション
  • クロスサイトスクリプティング対策
アクセシビリティ確認
  • コントラスト比の基準達成
  • キーボード操作対応
  • 読み上げソフト対応
最終確認
  • 本番環境での動作確認
  • スマホ実機でのタッチ操作
  • 公開前のバックアップ取得

ホームページ制作会社も公開前のテストは十分に行いますが、自社でも慎重に確認するのがおすすめです。

コーポレートサイトのリニューアルにかかる費用相場

コーポレートサイトのリニューアルの費用は、ページ数・機能要件・依頼先のランクによって大きく変動します。

リニューアルの予算策定の目安として、規模ごとの一般的な相場と特徴をまとめました。

規模(ページ数) 費用目安 特徴・依頼範囲
小規模(10〜20) 50万円〜150万円
  • テンプレート活用が中心
  • 名刺代わりのコーポレートサイト向け
中規模(30〜50) 200万円〜500万円
  • 戦略策定・CMS構築・簡易なシステム連携を含む
  • オリジナルデザインでブランディングを重視
大規模(100〜) 500万円〜
  • 独自システム・外部連携・多言語対応など
  • 大企業向け

また、制作費とは別にかかる費用について、以下の表にまとめました。

費用項目 相場
サーバー・ホスティング 6,000円~6万円/年
ドメイン登録・更新 2,000円~8,000円/年
SSL証明書 無料~15万円/年
写真・動画撮影 10万円~50万円

ホームページ制作会社選びは複数社から見積もりを取り、項目ごとの金額と提案内容のバランスを見て、適正価格を判断しましょう。

ホームページリニューアルにかかる費用相場の詳細は、以下の記事で解説しています。

コーポレートサイトリニューアルの制作期間の目安

コーポレートサイトリニューアルの一般的な制作期間は、規模に応じて数か月から1年程度を要します。

プロジェクトを安全に進めるために、規模ごとの標準的なスケジュール感を以下の表で把握しておきましょう。

規模 期間目安
小規模 2か月〜3か月
中規模 4か月〜6か月
大規模 6か月〜1年以上

最初の1か月〜2か月はプロジェクトの成否を決める最重要期間で、要件定義・サイト設計・デザイン案などが行われます。

その後、コーディングやシステム実装に2か月〜3か月、テスト・修正・データ移行に1か月ほどを見積もっておきましょう。

また、制作会社の作業期間だけでなく、社内の確認・承認や原稿・素材の準備の期間を考慮したスケジュールを組む必要があります。

旧サイトからの数千に及ぶ記事データの移行がある場合などは、想定以上の時間がかかるため余裕をもたせましょう。

コーポレートサイトリニューアルのよくある失敗と対策

コーポレートサイトのリニューアルでよくある失敗は、以下のとおりです。

  • コンバージョンが増えない
  • 追加費用が発生
  • 検索順位が下落

失敗を避けるための対策法を紹介します。
ありがちな失敗パターンを事前に把握し、リスクヘッジを行いながらリニューアルプロジェクトを進めましょう。

コンバージョンが増えない

デザインはきれいになったが問い合わせが増えないのは、ユーザー体験設計よりも見た目の美しさを優先した場合に起こります。

ターゲットの心理的ハードルを下げる導入事例・料金表・FAQなどが不足していると、ユーザーは検討を中断してしまいます。

対策としては、「CTAボタンを目立つ位置に固定表示」「フォームの入力項目を減らすフォーム最適化」がおすすめです。

また、ヒートマップツールで熟読エリアやクリック箇所を分析し、論理的にレイアウトを改善し続ける必要があります。

リニューアルはゴールではなくスタートのため、ABテストなどを繰り返してコンバージョンを地道に増やす運用体制を構築しましょう。

追加費用が発生

プロジェクト終盤では足りない機能や修正が頻発し、追加の見積もりにより予算超過するケースが多く見られます。

要求定義の詰めが甘く、ホームページ制作会社との間で作業範囲の認識がずれているのが原因の大半です。

なお、発注者の要望内容をまとめたものは「要求仕様書」といい、文書の作成は基本的に自社が行います。

追加費用が発生しないためにも、要求仕様書の作成では「実施する項目」以外に「実施しない項目」を定義し、合意形成を図るといった対策を講じましょう。

また、仕様変更が発生したときの手続きをあらかじめルール化し、気軽な修正依頼を抑制する仕組みも有効です。

検索順位が下落

コーポレートサイトのリニューアルにおける最大のリスクは、SEOの評価引継ぎに失敗し、検索エンジンからの流入が激減する事態です。

リニューアルで検索順位が下落する主な原因は、以下のとおりです。

  • URL構造が変更されているのにリダイレクト設定をしない
  • SEO上重要なテキストコンテンツを削除しすぎた

旧URLから新URLへの301リダイレクトをページ単位で正確にマッピングし、実装するのはリニューアル時の絶対条件です。

また、タイトルタグ・メタディスクリプション・構造化データなどのSEO内部設定を、新サイトにも継承させましょう。

参考にしたいコーポレートサイトリニューアルの事例

コーポレートサイトのリニューアルで参考にしたい事例を3つ紹介します。

他社の成功事例から、自社のコーポレートサイトリニューアルに活用できるヒントを見つけましょう。

株式会社シュテルン世田谷

株式会社シュテルン世田谷
出典:株式会社シュテルン世田谷公式サイト

株式会社シュテルン世田谷は、メルセデス・ベンツの正規販売店として新車・中古車の販売やメンテナンス事業を展開する企業です。

2023年1月の会社統合を契機に、約10年ぶりとなるコーポレートサイトの全面的なリニューアルを実施しました。

長期間にわたり大規模な改修が行われていなかったため、情報鮮度・デザイン・機能性が大きな課題となっていました。

リニューアルによって得られた主な成果について、以下の表にまとめました。

成果 概要
問い合わせ数の増加 リニューアル前と比較して約3倍に増加
滞在時間の伸長 ユーザーのサイト滞在時間が2倍以上に向上
即効性のある成果 公開後わずか20日間で30件の問い合わせを獲得
UI/UXの改善 導線の整理により、視認性と操作性が大幅に向上

特筆すべき成果として、問い合わせ数がリニューアル前の約3倍に増加し、Webサイトの滞在時間も2倍以上に伸びた点が挙げられます。

動画やエフェクトを用いた動きのあるデザインを採用し、ユーザーの関心をひきつけるコーポレートサイトへと生まれ変わりました。

また、複雑化していた情報導線を整理し、ユーザーが目的のページへスムーズに到達できるUI/UXを実現しています。

※参考:LeadGrid「リニューアル前と比べて問い合わせ数が3倍、滞在時間が2倍に!視認性や操作性も改善した事例

株式会社AMS

株式会社AMS
出典:株式会社AMS公式サイト

株式会社AMSは、350ブランド以上のECビジネス支援実績を持つ、ECサイト運営・支援の専門企業です。

同社は事業拡大を目指し、ホームページ制作会社「THINkBAL」の支援を受けてコーポレートサイトのリニューアルを行いました。

課題としては多様なステークホルダーに向けた情報整理や、BtoBサイトとしての戦略的な役割定義が必要とされていました。

そこで、自社・競合・顧客を徹底的にリサーチする分析プロセスを経て、カスタマージャーニーに基づいた導線設計をしたのです。

リニューアルによって実現した主な成果と改善点について、以下の表にまとめました。

成果 概要
BtoB戦略の明確化 カスタマージャーニーに基づき、Webサイトの役割を再定義
ターゲット別訴求 異なるニーズを持つユーザーに対し、適切な価値を提示
商材理解の促進 サービスごとのベネフィットを整理し、コピーを最適化
デザインの刷新 企業の信頼性と先進性を表現するデザインへ変更

本事例の大きな特徴は、単なるデザイン変更にとどまらず、マーケティング視点を取り入れた緻密な戦略設計にあります。

※参考:THINkBAL「AMS CORPORATE SITE | 制作実績

株式会社識学

株式会社識学
出典:株式会社識学公式サイト

株式会社識学は、独自の組織運営理論「識学」を用いた経営・組織コンサルティングを提供する企業です。

以前は更新を外注していたため施策の実行に時間がかかり、タイムリーな情報発信ができないのが課題となっていました。

コーポレートサイトのリニューアルにより、社内で自由にページ作成や修正ができる体制を整え、マーケティング施策のPDCAを高速化させています。

内製化への移行によって得られた具体的な成果を、以下の表にまとめました。

成果 概要
問い合わせ数の急増 リニューアル前と比較して問い合わせ数が4倍以上に増加
外注コストの削減 導入後わずか3か月で約150万円の外注費を削減
獲得効率の改善 顧客獲得単価を以前の半分以下に抑制
施策スピードの向上 LP制作や微調整を即座に実行できる環境を実現

特筆すべきは、外注費を大幅に削減しながらも、問い合わせ数を4倍以上に伸ばした圧倒的な費用対効果です。

自社で修正できる環境が整ったため、細かなチューニングを迅速に行えるようになり、獲得効率が劇的に向上しました。

※参考:ferret One「Webマーケをインハウス化し、毎月50万円の費用削減、CPAが半分に! 株式会社 識学 導入事例」,「ferret One|見たまま編集のCMS

リニューアル時に注意すべき技術的なポイント

コーポレートサイトのリニューアル時に注意すべき技術的なポイントは、以下のとおりです。

  • 301リダイレクトの設定
  • 内部リンク・被リンクの処理
  • Googleアナリティクスへの移行

技術的なミスは致命的な損失につながるため、ホームページ制作会社のエンジニアと連携して確実に対応しましょう。

301リダイレクトの設定

URL変更時の301リダイレクトは、旧サイトが長年蓄積してきたドメインの評価を新サイトに継承する確実な方法です。

302リダイレクトやメタタグによる転送ではなく、恒久的な転送である301リダイレクトを指定しましょう。

トップページへの一括転送ではなく、旧ページの対になる新ページへ個別に転送設定を行うのが鉄則です。

設定漏れがあると404エラーが発生し、ブックマークや外部サイトからのリンクが無効になってしまいます。

エンジニアと連携し、ファイルやサーバーでの設定ミスがないよう、ステージング環境で入念なテストを実施してください。

URL変更時に設定すべき301リダイレクトの詳細は、以下の記事をご覧ください。

内部リンク・被リンクの処理

コーポレートサイトのリニューアルでページ構成が変わると、記事や固定ページに含まれる内部リンクが大量にリンク切れを起こすリスクがあります。

リンク切れチェックツールを使用し、すべてのリンクが正常に機能しているかを機械的かつ網羅的にチェックしましょう。

外部サイトからの被リンクについても、主要な取引先やパートナー企業にはURL変更の連絡をし、書き換えを依頼しましょう。

また、SNSのプロフィール欄・Googleビジネスプロフィール・メール署名・営業資料内のURLなども更新が必要です。

Googleアナリティクスへの移行

コーポレートサイトのリニューアル前後でデータを正しく比較・検証するには、アクセス解析ツールの移行設計が欠かせません。

現在主流のGoogleアナリティクス4で正しく計測されているかを、リニューアルのタイミングで確認しましょう。

Googleタグマネージャーを導入すれば、広告・計測タグの管理が一元化でき、マーケティング施策のPDCAが高速化します。

自分たちのIPアドレスを除外するフィルタ設定なども忘れずに行い、ノイズのない正確なデータを計測できる環境を整えましょう。

公開後に実施すべきお知らせ・運用

リニューアルでコーポレートサイトを公開したあとに実施すべきことは、以下のとおりです。

  • リニューアル通知
  • プレスリリース配信
  • 定期的な更新と効果検証

コーポレートサイトを公開してからが本当のスタートと考え、積極的な情報発信と改善を継続しましょう。

リニューアル通知

コーポレートサイトの公開直後は顧客・ステークホルダーへ、リニューアルとその目的を伝えるお知らせを配信しましょう。

たとえば、メルマガで「リニューアル記念キャンペーン」「新コンテンツの紹介」など、サイト訪問を促すフックを用意します。

会員制サイトの場合は、パスワードの再設定が必要などの仕様変更があれば、手順をわかりやすく解説したマニュアルを同封します。

SNSでもビジュアルつきで投稿して拡散を狙うとともに、ユーザーからの反応をモニタリングして方向性を微修正してください。

コーポレートサイトリニューアルのお知らせ例文は、以下の記事が参考になります。

プレスリリース配信

コーポレートサイトのリニューアルは、企業の成長性や新しいビジョンを社会に宣言する絶好のPR機会です。

PR TIMESなどのプレスリリース配信サービスを活用し、リニューアルの背景や解決しようとしている課題を発信しましょう。

メディア関係者の目に留まるよう、「業界初のアクション」「DX推進」といったニュースバリューのある切り口が大切です。

なお、プレスリリースからの被リンクは、ドメインパワーを向上させる良質なSEO効果も期待できます。

定期的な更新と効果検証

コーポレートサイトは公開からが本当のスタートであり、日々の更新と改善こそが成果を生み出す源泉です。

お知らせの最終更新日が数か月前だと、それだけで活動実態が疑われるため、最低でも月に数回は情報を発信しましょう。

また、月に1回はGoogleアナリティクスで定点観測を行い、目標に対する達成度や、前月比での増減要因を分析するのも大切です。

検索クエリを分析し、ユーザーのニーズに合わせて既存記事のリライトや新規コンテンツを追加するのも効果的です。

まとめ

コーポレートサイトのリニューアルは単なるデザインの変更ではなく、ブランド価値を高め、ビジネスを加速させる経営戦略です。

目的を明確にし、適切なターゲット設定と社内調整をすれば、プロジェクトの成功率は格段に高まります。

また、公開後の運用や改善を継続すれば、「24時間働く優秀な営業マン」「最強の採用担当」として機能し続けます。

まずは自社の現状の課題を見つめ直し、コーポレートサイトのあるべき姿を描くフェーズから始めてみましょう。

当サイト「ビズサイ」では、サブスク型ホームページ制作サービスを提供しています。

低コストながらオリジナルデザインのホームページを制作しており、公開後も保守管理や更新代行などのサポートをしています。

コーポレートサイトリニューアルの実績も多数ですので、現行のホームページで課題があればビズサイにお気軽にご相談ください(制作サービスの詳細はこちら)。

ホームページに関する記事

コーポレートサイトに関する記事

まずは無料でご相談ください。

お問い合わせ・ご相談や、公開後の修正依頼などに関しては、いずれかの方法にてお問い合わせください。

※年末年始・土日祝は定休日となります
※受付時間 9:00~17:30

ビズサイで補助金使えます 最大450万円
×