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ホームページ制作における著作権問題【依頼者必読!】

  
ホームページ制作における著作権問題【依頼者必読!】

自社でホームページをもちたい場合、ホームページの制作を専門とするプロに依頼する場合があります。

ホームページの制作を外注に依頼するときに気になることの1つが「著作権」問題。

ホームページ全体やテキスト、画像、動画など、1つ1つのコンテンツには著作権が発生します。

著作権のことを理解せずにコンテンツを無断でコピーや改変などをすると、著作権侵害の恐れがあります。

『ホームページ制作における著作権について知りたい!』
『外注先にホームページ制作を依頼するとき、著作権で注意することは?』

などの悩みや知りたいことがあると思います。

今回のコラム記事では、外注先にホームページ制作の依頼をしようと決めている会社様に向けて外注先にホームページ制作を依頼するときの著作権について解説をしています。

著作権の基礎

ホームページ制作における著作権について解説をする前に、まず著作権とはどんな権利なのか理解をしておきましょう。

著作権は「著作物」の「著作者」に対して、著作権法によって与えられる権利のことです。

  • 著作物:自分の思いや気持ちなどを作品として表現したもの
  • 著作者:著作物を創作した人

著作権法によって、著作者には「著作権(財産権)」と「著作者人格権」の主に2つの権利が自動的に与えられます(権利を与えてもらうための手続きは不要)。

  • 著作権(財産権):著作者の財産的な利益を保護する権利
  • 著作者人格権:著作者の人格的な利益を保護する権利

「著作権」は他人に著作権の一部、または全てを譲渡・相続させることができます

「著作者人格権」は著作者のみが権利をもつので、他人に譲渡・相続をさせることができません
なので、著作権(財産権)を他人に譲渡・相続をした場合、著作者人格権と著作権の権利先が分かれます。

また、著作権法上の権利には一定の保護期間が定められており、日本では著作者の死後70年までの期間が原則とされています(一部例外の保護期間あり)。

ポイント!

著作権法の目的としては、著作者の権利を守ったり努力に報いることで、文化が発展することです。

ホームページの著作権は基本的に制作者がもつ

ホームページにおける著作権は、著作者である制作者が権利をもちます。

外注先にホームページ制作を依頼する場合には、基本的にホームページの著作権は著作者である制作者(外注先)がもつことになります。

ここで問題なのが、ホームページ制作において著作権にあたる可能性のあるコンテンツ(テキスト、画像、イラスト、音声、動画など)が創作された時点で、制作者や外注先に著作権が与えられる点です。

ホームページの著作権が制作者や外注先など外部にあると、依頼者側がホームページ内のコンテンツを自由に改変したり、二次利用をすることができなくなる可能性があります。

ただし、著作権譲渡の契約や著作者人格権の不行使条項を定めることで、依頼者側でもホームページ内のコンテンツを自由に使うことができます(くわしい内容は後述しています)。

ポイント!

例外として、著作者に許諾を得ることなく著作物を利用できる場合があります。
くわしくは、文化庁のホームページをご覧ください。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html

ホームページのコンテンツごとの著作権

ホームページは複数のコンテンツで構成されているので、それぞれ誰が著作権をもっているのかが異なります。

ホームページを構成する上でのコンテンツを分けると、以下になります。

  • ホームページ全体のデザインやテンプレート
  • 画像・動画
  • 音声・効果音(SE)
  • 記事
  • キャッチコピー
  • システム開発(ソースコード)

それぞれコンテンツごとの著作権について、解説をしていきます。

ホームページ全体のデザインやテンプレート

ホームページ全体のデザインやテンプレートなどの著作権は、基本的に制作者である外注先がもっています。

ホームページ制作において「フリー素材」をデザインの一部に使用する機会が多いと思われます。

フリー素材は、規約をまもった範囲内であれば誰でも自由に使用できますが、既存の素材(著作物)を選択または配列によって創作性をゆうする編集物を編集した人は「編集著作物」として保護されます(著作権法12条1項)。

つまり、外注先がフリー素材を使ってホームページ制作をおこなった場合、デザインの著作権は外注先になります(※)。

※ 編集物を編集した人には「編集著作権」として著作権が与えられますが、元々の素材(著作物)は著作者に属されます

ポイント!

ホームページの納品時に、制作上のデータを依頼者側に提供することはありません(著作権上の理由で)。
ただし、まれに有料で制作データを譲渡する場合があります(著作者人格権は譲渡できない)。

画像・動画

ホームページ上に掲載する画像(写真、イラスト、ロゴ、アイコンなど)・動画などのコンテンツは、それぞれ誰が創作したのかによって著作権が異なります。

例をあげます。

  • 自身(自社)で撮った写真や動画の著作権=自身(自社)
  • 外注先が撮った写真や動画の著作権=外注先
  • 外注先が著作権を完全放棄した素材を利用・編集したイラストの著作権=外注先(編集著作物)

画像(写真、イラスト、ロゴ、アイコンなど)・動画などのコンテンツは、そのコンテンツを撮影・制作した本人が著作権をもちます。

ただし、会社の業務で写真や動画を撮影したりイラストを制作した場合のコンテンツは、会社の著作物として扱われます。

また、フリー素材から画像(写真、イラスト、ロゴ、アイコンなど)・動画などを用意した場合、利用するフリー素材のサイトによって第三者が著作権をもっている可能性があります。
くわしくは、フリー素材のサイトにある規約を確認しましょう。

ポイント!

人物には「肖像権」や「パブリシティー権」などの権利が与えられます。

音声・効果音(SE)

ホームページ上に音声を公開したり、効果音(SE)をホームページ内に埋め込む場合には、著作権は誰がもっているのかが、それぞれ異なります。

例をあげます。

  • 自身(自社)で収録・編集をした音声の著作権=自身(自社)
  • 外注先で収録・編集をした音声の著作権=外注先
  • 外注先が著作権を完全放棄した音声素材を利用・編集した音声素材の著作権=外注先(編集著作物)

音声を発音した本人が著作権をもちます。
ただし、会社の業務で音声を収録・編集をした場合には、その音声は会社が著作権をもちます。

一方、効果音(SE)は、制作した本人が著作権をもちます。
ただし、会社の業務で制作をした効果音(SE)は、会社が著作権をもちます。

また、フリーの音声素材を配布するサイトによって、第三者が著作権をもっている場合があるので、商用利用が可能な音性素材なのか、著作権フリーの音声素材なのかを確認しましょう。

ポイント!

著作権の権利は著作者にありますが、その他にも実演家(演出家や出演者など)やレコード製作者(最初に録音をした人)、放送事業者(テレビ局やYouTubeなど)などにも権利が自動的に発生し、このことを「著作隣接権」といいます。

記事

ホームページで大事なコンテンツの1つである記事は、誰が執筆したかによって、著作権が異なります。

例をあげます。

  • 自身(自社)で執筆・編集をした記事の著作権=自身(自社)
  • 外注先で執筆・編集をした記事の著作権=外注先
  • 外注先がクラウドソーシングに依頼して執筆をしてもらった記事の著作権=外注先 ※

※ 著作者人格権は、その記事を執筆したライターに属されます

ホームページ内に公開する各記事(ブログ・コラム)のコンテンツは、基本的に記事を執筆したライターが著作権をもちます。

自分で記事のアイデアを考えて記事の執筆をした場合、著作権は自分がもつことになるので、記事を自由に利用しても著作権法上の問題はありません(会社の業務で作成した記事は、会社の著作物として扱われます)。

しかし、外注先に記事の作成・用意をしてもらった場合、その記事を「無断」で二次利用をして「引用」がされていない状態だと、著作権の侵害にあたるでしょう。

ただし、依頼者と外注先とでホームページ制作の契約をするときには「著作権譲渡」を結ぶことが多いです(くわしい内容は後述しています)。

キャッチコピー

たった一言で集客率や反応率に変化が現れるキャッチコピーは、ホームページに大事な要素の1つです。

結論をいうと、キャッチコピーは基本的に著作物として認められない場合が多いと考えられています。

キャッチコピーのような短い文章は世の中にあふれていて、一般的に使われている表現には創作性があるといえず、著作物には該当しないと考えられています。

ただし、商標登録された「キャッチフレーズ」には注意が必要です。

キャッチフレーズは、宣伝以外でも幅広い用途で使用されます(キャッチコピーは主に宣伝目的)。

商標登録されたキャッチフレーズを例にあげると以下になります。

  • 元気ハツラツ(大塚製薬)
  • カラダにピース(アサヒ飲料)
  • Inspire The Next(日立製作所)

商標登録されたキャッチフレーズと酷似したキャッチフレーズを使用すると、商標権の侵害になる恐れがあるので、注意が必要です。

ポイント!

短い文章(キャッチコピー)でも創作性(作者の個性が現れていること)があれば、著作物として認められる場合もあります。

Webシステム開発(ソースコード)

Webシステム開発における成果物(ソースコード)にも著作権が発生します。

例をあげます。

  • 自身(自社)でシステム開発をした成果物(ソースコード)の著作権=自身(自社)
  • 外注先でシステム開発をした成果物(ソースコード)の著作権=外注先

Webシステム開発における成果物(ソースコード)は、基本的にソースコードを作成した技術者が著作権をもちます。

ただし、会社の業務でWebシステムの開発をした場合は、会社が著作権をもちます。

著作権関連でホームページ制作の依頼をするときの注意点

外注先にホームページ制作の依頼をするときに、著作権関連で注意すべき点を2つご紹介します。

  1. 外注先と「著作権譲渡」契約を結ぶ
  2. 依頼者が素材の準備をする場合にはライセンス状態に注意

外注先と「著作権譲渡」契約を結ぶ

ホームページ内のコンテンツを自由に利用したい場合には、依頼者と外注先とで「著作権譲渡」の契約を結ぶといいでしょう。

原則、著作権譲渡は口頭で成立します。
しかし、口頭で著作権譲渡をおこなうのは物的に証明することが難しく、契約が成立したのか、どのような内容で契約が成立したのかが不透明で、後々トラブルに発展する可能性があります。

トラブルに発展しないためにも、著作権譲渡をするときには契約書を結びましょう。

ポイント!

一部の個人事業主・フリーランスなどでは、契約書を交わさずにホームページ制作をする場合があります。
ホームページの制作中や制作後にトラブルにならないためにも、依頼者側と外注先とで契約書を必ず結んでおきましょう。

著作者人格権の不行使条項について

著作権譲渡の契約は、あくまで著作権(財産権)を譲渡するものであって、著作者人格権の権利は法律上譲渡することができません。

著作者人格権でトラブルに発展しないためには、ホームページの契約書に「著作者人格権の不行使条項」を含めましょう。

著作者人格権の不行使条項とは、著作者が著作権の譲渡をするときに、譲渡先の相手に対して、著作者人格権を行使しないことを約束する契約条項です。

他人の著作物を勝手に改変しようとすると、著作者は著作者人格権の1つ「同一性保持権(著作物を勝手に改変されない権利)」を主張することができます。

一般的には、著作者に著作者人格権の行使をするのを防ぐために、著作権譲渡の契約書の中に「著作者人格権は行使しない」といった条文を含める場合が多いです。

ポイント!

著作者人格権の行使については、著作者側(外注先)と譲渡先(依頼者)とで話し合って、お互いに納得した状態で契約を結びましょう(後のトラブルを少なくすることができます)。

依頼者が素材の準備をする場合にはライセンス状態に注意

依頼者側がホームページに使用する素材を用意する場合、その素材のライセンス状態に注意しましょう。

インターネット上には、画像(写真)・イラスト・動画・音声・効果音(SE)などの素材を無料で配布(フリー素材)していたり、有料で販売(ストックフォト)しているサイトがあります。

利用するサイトによって、それぞれライセンス状態が異なります。

例えばフリー素材でも、

  • 画像の加工は禁止
  • クレジット表記は必須
  • リンクの掲載は必須
  • 商用利用は不可

など、条件を定めている場合があります。

無料のフリー素材や有料のストックフォトを利用する場合には、各サイトの利用規約を確認するか、外注先に相談をするといいでしょう。

ポイント!

フリー素材=著作権フリーではありません。
フリー素材の意味は、追加の使用料がかからないロイヤリティフリーのことです。

まとめ

外注先にホームページ制作を依頼するときの著作権について解説をしました。

ホームページにおける著作権の権利をもっている人や会社は、それぞれのコンテンツによってバラバラなので、すこし複雑だと思います。

自社でホームページを作成する場合には、著作権は自社がもつことになるので、それほど大きな問題はないでしょう。

外注先にホームページ制作の依頼をする場合には、基本的に著作権をもっているのは制作者である外注先になるので、依頼者がホームページ内のコンテンツを自由に改変したり、二次利用をすることができなくなる可能性があります。

なので、依頼者がホームページ内のコンテンツを自由に利用したいときには、外注先と著作権譲渡の契約をおこなうといいでしょう。

著作権譲渡の契約書の用意は、依頼者や外注先のどちらでも問題はありません。

外注先が著作権譲渡の契約書を用意している場合には、著作者人格権の不行使条項を含めているか、など契約書の内容をよく確認しときましょう。

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