ホームページのリニューアル費用・料金の相場は?期間・会計処理・勘定科目も解説

  
ホームページのリニューアル費用・料金の相場は?期間・会計処理・勘定科目も解説

ホームページのリニューアルを検討するとき、費用の相場や複雑な内訳がわからず悩んでいる担当者は多いでしょう。

『ホームページリニューアルにかかる費用の相場を知りたい』
『リニューアルの費用の内訳を教えて』
『ホームページの規模や種類別の料金相場は?』

上記の疑問に答え、今回の記事では、リニューアル費用の相場を依頼先別・種類別に分け、詳しい内訳をまとめました。

さらに、費用を抑えるポイント・見積もりの見方・国税庁基準の会計処理についてもわかりやすく紹介します。

本記事を読めば、自社の目的に合った適正な予算を把握し、費用対効果の高いリニューアル計画を立てられます。

まずはリニューアル費用の全体像をつかみ、自社の予算や目的に最適なホームページ制作会社を選定しましょう。

※2025年11月21日:記事の情報を更新しました

ホームページ(Webサイト)のリニューアルにかかる費用・料金相場

ホームページのリニューアルにかかる費用・料金相場を、依頼先別・種類別で紹介します。

リニューアルの目的やホームページの種類を明確にし、自社の予算規模に合った依頼先を選定しましょう。

依頼先別の平均的な費用相場

ホームページのリニューアル費用は、フリーランスや制作会社(小規模・中規模・大規模)といった依頼先によって大きく変動します。

対応可能な業務範囲・専門性・品質・リニューアル後のサポート体制が依頼先によって異なるため、価格帯が変わってくるからです。

それぞれのホームページのリニューアル費用の平均的な相場を、以下の表にまとめました。

依頼先 平均費用相場
フリーランス 10万円~50万円
小規模制作会社 30万円~100万円
中規模制作会社 80万円~200万円
大規模制作会社 200万円~500万円

まずは複数社から見積もりを取得し、提案内容を比較して自社の予算・目的に最適な依頼先を見極めましょう。

ホームページの種類別の費用相場

リニューアル費用は依頼先の規模だけでなく、構築するホームページの種類によっても大きく異なります。

ホームページの種類ごとに、求められる機能・デザイン・複雑さ・必要なページ数がまったく異なるからです。

それぞれのホームページの種類別の費用相場は、以下のとおりです。

ホームページの種類 平均費用相場
コーポレートサイト 50万円~300万円
ECサイト 50万円~500万円
採用サイト 30万円~200万円
ランディングページ 10万円~60万円

リニューアルでどの種類のホームページを構築し、どのような機能が必須なのかを事前に明確にしておきましょう。

ホームページリニューアルにかかる費用の内訳

ホームページリニューアルにかかる費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 企画・設計費用
  • デザイン費用
  • コーディング・開発費用
  • CMS導入・カスタマイズ費用
  • テスト・検証費用
  • オプション費用

各工程でどのような作業が発生するかを押さえて見積もりの妥当性を判断し、不要なコストを削減しましょう。

企画・設計費用

企画・設計費用は小規模ホームページであれば10万円程度、大規模ならば50万円~100万円になるケースも珍しくありません。

企画・設計では、まず、既存ホームページの課題分析・競合調査・ターゲットユーザーの再設定といった戦略立案が行われます。

次に、戦略に基づいて、サイトマップと呼ばれるホームページの構造図や、レイアウト設計図であるワイヤーフレームを作成します。

プロジェクトの土台になる企画・設計費用は、ホームページのリニューアルの成功を左右する重要なコストです。

デザイン費用

デザイン費用は、ホームページの視覚的な外観を作成するために必要な料金で、具体的な費用の目安は以下のとおりです。

ページの種類 平均費用相場
トップページ 5万円~15万円
下層ページ 2万円~7万円
派生ページ 1万円~5万円
ランディングページ 6万円~15万円

デザイン費用は、ホームページ全体の印象を決定づけるトップページと下層ページで、それぞれ単価が設定されるのが一般的です。

トップページはデザイン要素が多く、情報設計も複雑になるため、費用が高額になる傾向が強いです。

一方、下層ページは共通のレイアウトを用いて作成される場合が多く、トップページに比べると単価は抑えられます。

ただし、デザインをゼロから作成するオリジナルデザインか、既存のテンプレートを活用するかによって費用は大きく変動します。

コーディング・開発費用

コーディング・開発費用とは、デザインをブラウザ上で閲覧・操作できるように構築する作業にかかる料金です。

コーディング・開発費用の大まかな相場を、以下の表にまとめました。

ページの種類 平均費用相場
トップページ 1万円~4万円
下層ページ 5,000円~2万円
派生ページ 5,000円~1万5,000円
ランディングページ 2万円~5万円

コーディング・開発費用には、異なる画面サイズでもレイアウトが崩れずに表示されるレスポンシブ対応も含まれるのが一般的です。

また、お問い合わせフォームの設置や、特定の動作を制御するシステムの組み込みなども開発費用として計上されます。

CMS導入・カスタマイズ費用

CMS導入・カスタマイズ費用は、ホームページの運用効率化に直結する重要なコストで、相場は以下のとおりです。

項目 平均費用相場
導入 10万円~50万円
カスタマイズ 30万円~200万円

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは、ブログのようにテキスト・画像の更新、ページの追加が可能になる仕組みです。

CMSを導入すると、お知らせ・ブログの更新などを自社で行い、運用コストの削減と情報発信のスピードアップが図れます。

テスト・検証費用

テスト・検証費用は、公開前にリニューアルしたホームページの品質を担保する工程にかかる料金です。

費用は「プロジェクト全体の10%程度」、もしくは「制作費用内に含まれている」という2つのケースが一般的です。

テスト・検証では、「設計書やデザインどおりか」「機能面に不具合がないか」を多角的にチェックします。

また、「パソコン・スマホ・タブレットなど異なる端末での表示確認」「複数ブラウザでの動作確認」も検証内容に含まれます。

オプション費用

オプション費用は、基本的なホームページリニューアルには含まれない、追加の要望を実現するために発生する料金です。

それぞれのオプション費用の相場について、以下の表にまとめました。

オプション項目 平均費用相場
SEO対策 100万円~300万円
保守・運用 1万円~30万円/月
ドメイン・サーバー 数万円~10万円/年
多言語対応 100万円~300万円
撮影・ライティング 数万円~10万円

たとえば、プロのカメラマンによる高品質な写真撮影や、ライターによる記事コンテンツの作成などは代表的なオプションです。

リニューアルで実現したい要望を明確にして、どこまでが基本料金で、どこからがオプションとなるのかを確認しましょう。

ホームページのリニューアル費用を抑えるポイント

ホームページのリニューアル費用を抑えるポイントは、以下のとおりです。

  • 自社リソースの活用
  • 外注範囲の明確化・要件定義の徹底
  • 複数社からの見積もりを比較
  • テンプレート・既存ツールの活用
  • 一部リニューアル
  • 繁忙期を避けて依頼
  • 補助金・助成金の活用

自社で対応可能な作業範囲を見極めつつ補助金や既存ツールを賢く活用し、費用対効果の高いリニューアル計画を立てましょう。

自社リソースの活用

ホームページのリニューアル費用を抑えるためには、自社のリソースを最大限に活用する方法が有効です。

原稿・写真・画像などホームページ制作会社への依頼範囲を減らすほど、当然ながら外部へ支払う費用を削減できるからです。

また、CMS導入後の簡単な更新作業やブログ記事投稿を自社で行う体制の整備も、将来的な運用コストの削減に寄与します。

自社で対応可能な範囲を明確にし、ホームページ制作会社に伝えれば、見積もり金額を調整できる可能性があります。

外注範囲の明確化・要件定義の徹底

リニューアル費用を適切に管理するには、外注する作業範囲を明確にするため、ホームページ制作会社に要件定義をしてもらいます。

質の高いRFP(提案依頼書)を提出し、事前にリニューアルの目的や必要な機能を設定できれば、作業の追加や仕様変更による予期せぬコスト増大を防げるからです。

要件定義とは、ホームページリニューアルで実現したい要望や、実装すべき機能を具体的に文書化するプロセスです。

要件定義が不十分なままプロジェクトが進行すると、あとから追加の作業が発生し、結果的に費用がかさんでしまう恐れがあります。

リニューアルで達成したい目的を明確にし、ホームページ制作会社と詳細な打ち合わせを重ねておきましょう。

複数社からの見積もりを比較

リニューアル費用を抑え、適正な価格で依頼するためには、複数社から見積もりを取得して比較検討しましょう。

同じリニューアル内容であっても、ホームページ制作会社によって提示される金額・提案内容・得意分野が異なるからです。

相見積もりを行うとおおよその費用相場を把握できるだけでなく、各社の提案内容やサポート体制の違いも明確になります。

金額が安いという理由だけで選ぶのではなく、自社の要望をどれだけ理解し、解決策を提示してくれるかを見極めてください。

テンプレート・既存ツールの活用

一から構築するフルスクラッチ開発ではなく、既存のテンプレートやツールの活用でリニューアル費用を大幅に抑えられます。

ゼロから制作する場合と比較して、デザイン・コーディング・システム開発にかかる工数を大幅に削減できるためです。

たとえば、WordPressなどのCMSには、有料・無料問わず多様なデザインテンプレートが用意されています。

用意されたテンプレートを利用すれば、オリジナリティには欠けるかもしれませんが、デザイン費用を大きく削減可能です。

また、近年では専門知識がなくても安価にホームページを構築・更新できるノーコードツールも増えています。

リニューアルの目的を考慮し、フルオーダーメイドの必要性が高くないなら、テンプレートやツールの活用を検討しましょう。

一部リニューアル

ホームページ全体を作り直すフルリニューアルではなく、問題箇所のみを改修する一部リニューアルも費用を抑える有効な手段です。

フルリニューアルに比べて作業範囲が限定されるため、開発費用や期間を最小限に抑えられるのが大きなメリットです。

たとえば、「スマホ表示に対応できていない」「特定のページの読み込みが遅い」など、課題が明確な場合に適しています。

ただし、継ぎ足しで改修を繰り返すと、将来的にホームページ全体の管理が複雑化するリスクもあります。

現状のホームページが抱える課題を正確に把握し、フルリニューアルが必要か、部分的な改修で十分かを慎重に判断してください。

繁忙期を避けて依頼

ホームページ制作会社の繁忙期を避けてリニューアルを依頼すると、費用を抑えられる可能性があります。

ホームページ制作会社のリソースに比較的余裕がある時期に発注すれば、価格交渉がしやすくなる場合があるからです。

一般的にホームページ制作会社の繁忙期は、企業の決算期が集中する1月~3月、9月~11月ごろとされています。

逆に、4月~5月やお盆時期を含む8月などは、比較的ホームページ制作会社のスケジュールに余裕が出やすい傾向にあります。

補助金・助成金の活用

ホームページのリニューアル費用は、国や地方自治体の補助金・助成金を活用して、負担額を軽減できる場合があります。

たとえば、小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金は、中小企業のDXや販路開拓などを支援する目的で設けられています。

ただし、単なるデザイン変更だけでは対象外となる場合が多く、生産性向上や新規事業への貢献が求められる点には留意しましょう。

自社のリニューアル計画に該当する制度がないか、専門家や自治体の窓口に相談し、最大限に活用するのが賢明です。

ホームページリニューアルで見積書を確認するときのポイント

ホームページリニューアルで見積書を確認するときのポイントは、以下のとおりです。

  • 総額・内訳
  • 項目ごとの意味の把握
  • 提案内容を評価
  • 追加費用が発生するリスクの確認
  • 納期・スケジュール

提示された金額だけで判断せず、作業範囲・追加費用のリスク・提案内容の質を総合的に評価して選定しましょう。

総額・内訳

ホームページのリニューアルの見積書を確認するとき、まずは総額ではなく内訳の詳細さに注目をしましょう。

総額だけでは、何にどれだけのコストがかかっているのかが不明瞭であり、他社との比較や費用の妥当性を判断できません。

また、内訳が一式のように大雑把にまとめられている見積書は、作業範囲が曖昧で追加費用を請求されるリスクもあります。

信頼できる見積書は、「企画・設計費」「デザイン費」「コーディング費」のように、作業工程ごとに細分化されています。

さらに、各項目の単価や工数が見積書に明記されていれば、より透明性・信頼性が高いと判断が可能です。

内訳が不明瞭な場合はホームページ制作会社に詳細な説明を求め、納得できるまで確認してください。

項目ごとの意味の把握

見積書に記載された専門用語や項目が、どのような作業を指しているのかを正確に把握しましょう。

項目名が同じでも、ホームページ制作会社によって作業範囲や定義が異なる場合があるため、確認が必要です。

たとえば、デザイン費がトップページのみか下層ページも含むのかによって、必要な工数や総額は大きく変わってきます。

ほかに、CMS導入費がどのシステムの導入を意味し、どこまでのカスタマイズを含むのかも確認が必要です。

不明な項目や曖昧な表現があれば、その都度担当者に質問し、認識のずれが生じないよう明確にしておきましょう。

ホームページ制作会社にリニューアルの見積もりを依頼する方は、以下の記事を参考にしてください。

提案内容を評価

見積書の金額だけではなく、同時に提出される提案書の内容を評価し、自社の課題解決につながるかを判断するべきです。

安価な見積もりが、必ずしも最適なホームページのリニューアルを実現するとは限らないためです。

たとえば、「売上げを向上」「問い合わせ数の増加」といった目標を達成するための戦略が提案に含まれているかが重要となります。

現状のホームページの課題や、ターゲットユーザーの分析に基づいた情報設計が示されているかを確認しましょう。

リニューアル後の運用を見据えたCMSの選定理由や、運用・保守に関する提案があるかどうかも検討してください。

追加費用が発生するリスクの確認

契約後に予期せぬ追加費用が発生する可能性がないかについて、発生条件を事前に確認しておく必要があります。

初期提示額が安価でも、作業開始後に必要な機能や修正が次々とオプション扱いとなり、最終的に高額になるケースがあるからです。

特に「デザインの修正回数に上限が設定されているか」などの作業範囲の定義について、注意しておきましょう。

また、公開後の軽微な修正やサーバーへのアップロード作業が保守・運用費として別途契約になっていないかも確認すべきです。

見積書の備考欄や注釈には、追加費用の条件が記載されている場合が多いため、隅々まで目を通す必要があります。

納期・スケジュール

見積書と併せて提示される制作スケジュールが、現実的かつ自社の希望に沿ったものであるかを確認するのが重要です。

曖昧なスケジュールはプロジェクトの遅延を招き、リニューアルが遅れてビジネス機会の損失につながる恐れがあるためです。

「企画・設計」「デザイン制作」「コーディング」といった、各工程の開始日と終了日が明記されているかチェックしてください。

さらに、発注者側が対応する素材の提供・デザイン案の確認・フィードバックの期限も記載されていると理想的です。

国税庁基準|ホームページの作成・改修にかかった費用の会計処理

国税庁基準でのホームページの作成・改修にかかった費用の会計処理について、以下の要素ごとに解説します。

  • 作成費用の基本的な勘定科目
  • 作成費用の資産計上の基準
  • 改修費用を分類する基準
  • 耐用年数と減価償却

ホームページの改修内容によって会計処理は費用か資産かに分かれるため、経理担当者や税理士と相談して正しく処理しましょう。

作成費用の基本的な勘定科目

作成費用は、ホームページの目的や機能に応じて広告宣伝費かソフトウェアとして会計処理するのが基本です。

ホームページの役割が会社案内などの情報発信にとどまる場合、発生費用は「広告宣伝費」として経費計上します。

一方、ショッピングカート・会員管理システムなど、高度なプログラム開発を伴う場合は「ソフトウェア」という勘定科目を用います。

ソフトウェアに該当する場合は、費用ではなく無形固定資産として資産計上の対象となると理解しておきましょう。

また、ドメイン取得費用やサーバーレンタル費用は、「通信費」「支払手数料」といった別の勘定科目で処理するのが一般的です。

作成費用の資産計上の基準

作成費用は、ホームページの機能や取得価額が一定の基準を超える場合に、費用ではなく資産として計上しなければなりません。

ホームページを作った効果が1年以上に及ぶと税務上判断される場合、一括での費用処理が認められないためです。

ホームページ作成費用の資産計上の基準について、以下の表にまとめました。

資産計上される条件 詳細
取得価額が10万円以上 少額減価償却資産の特例適用外となり、資産計上が必要になる
使用期間が1年を超える 更新予定がなく長期使用する場合「繰延資産」として計上する
ソフトウェア性が高い ショッピングカートなどの高度な機能を持つ場合「無形固定資産」として分類する

「高度なプログラム開発を含む」「取得価額が10万円以上」「更新予定がなく長期使用」といった場合は、資産計上します。

ただし、青色申告を行っている中小企業などなら、30万円未満の資産は少額減価償却資産の特例を活用できます。

改修費用を分類する基準

ホームページのリニューアルにかかった費用は、修繕費として費用処理するか、資本的支出として資産計上するかに分類されます。

国税庁の通達では、支出が現状維持のためか、新たな価値を付加するためかで判断基準が示されています。

たとえば、テキストや軽微なバグの修正・デザインの微調整など、維持管理するための支出は「修繕費」として費用処理が可能です。

一方、「新たにEC機能を追加」「スマホ表示に対応する」など、明らかに価値を高める改修は資本的支出とみなされます。

コストが費用処理・資本的支出のどちらに分類されるのかについて、以下の表にまとめました。

分類 項目例
費用処理 テキストや画像の修正・軽微なバグ修正・デザインの微調整・サーバー保守・セキュリティパッチ適用・リンク切れ修正・タイポ修正・軽微なUI調整
資本的支出 EC機能の追加・スマホ対応・新規ページ作成・CMS導入・機能の大幅向上・セキュリティシステム新設(二要素認証など)・デザイン全体刷新・データベース拡張

資本的支出の場合、追加した機能部分の費用を「ソフトウェア」として資産に計上し、減価償却を行う必要があります。

耐用年数と減価償却

ソフトウェアとして資産として計上されたホームページは、税法上の法定耐用年数に基づいて減価償却する必要があります。

国税庁の基準によれば、「その他のもの」としての区分に該当し、法定耐用年数は原則として5年と定められています。

たとえば、300万円のECサイトを資産計上した場合は5年間にわたって分割し、減価償却費として毎年費用計上しましょう。

会計処理としては、無形固定資産の償却方法であり毎年均等額を償却する定額法を用いるのが一般的です。

ホームページの費用における税務処理の詳細は、以下の記事でも解説しています。

ホームページのリニューアルにかかる工数・流れ

ホームページのリニューアルにかかる工数・流れは、以下のとおりです。

  • プロジェクトの立ち上げ
  • 目的・目標・ターゲットユーザーを設定
  • 現状分析と課題抽出
  • 企画・設計
  • 制作会社の選定
  • 開発・制作
  • テストと検証
  • 公開と運用開始
  • 効果の測定・改善

リニューアルの全体像と各工程の目的を事前に把握し、関係者間の認識のずれを防ぐために確認しましょう。

プロジェクトの立ち上げ

リニューアルの成否を分けるのはプロジェクトの立ち上げで、社内の体制整備と目的の共有が重要です。

初期段階で関係者の認識がずれていると方向性がぶれ、手戻りやスケジュールの遅延が発生する原因となるためです。

まずリニューアルを担当するプロジェクトチームを部署横断的に結成し、責任者とメンバーの役割分担を決めましょう。

ホームページをリニューアルするときのメンバーの一般的な役割分担について、以下の表にまとめました。

メンバー 役割
プロジェクトリーダー 制作会社との窓口・スケジュール管理・全体指揮・確認・承認・最終決定
判断者(役員・部長) 重要な決定事項の承認
コンテンツ担当者 テキスト・画像などの素材提供・他部署調整
サポートスタッフ 情報共有・補助業務

同時に、ホームページリニューアルの大まかな予算と希望する公開時期の枠組みを決定し、社内での合意を得ましょう。

目的・目標・ターゲットユーザーを設定

リニューアルの成功には、施策の土台となる目的・目標・ターゲットユーザーを自社で設定・共有する必要があります。

目的(KGI)・目標(KPI)・ターゲットユーザーについて、以下の表にまとめました。

用語 解説
KGI 事業の最終目標を示す指標で、全体の成果を測る
例:年間売上高1億円達成
KPI KGI達成に向けた中間目標の指標で、進捗を管理
例:月間アクセス数1万PV
ターゲットユーザー サービスや製品の主な利用者を特定した層
例:20代~40代のビジネスパーソン

目的が曖昧なまま進めると、デザインや機能の選定基準がぶれてしまい、期待した成果が得られない可能性が高くなります。

たとえば、目的として「資料請求数を月50件増やす」「採用応募者数を2倍にする」といったKGIを設定します。

次に、設定した目的を達成するため、情報を届けるべきターゲットユーザーの具体的な人物像を詳細に探りましょう。

さらに、「アクセス数を1.5倍にする」といった形で、目的を達成するためのマイルストーンであるKPIも検討してください。

現状分析と課題抽出

設定した目的を達成するには、現状のホームページが抱える問題点を自社で分析し、具体的な課題を抽出しましょう。

なお、この段階でホームページ制作会社にアドバイスをもらい、分析を依頼するのもおすすめの方法です。

現状の課題が明確でなければ、「リニューアルで何を改善すべきか」「どのような施策が有効か」の判断がつかないためです。

ホームページの現状と課題の抽出に活用される主な分析方法は、以下のとおりです。

分析方法 説明
アクセス解析 Googleアナリティクスなどで表示回数・滞在時間・離脱率などのデータを収集し、現状を定量的に把握する
ヒートマップ分析 ユーザーのクリックやスクロール行動を可視化し、注目領域や操作の課題を抽出する
競合分析 競合サイトの構造・コンテンツ・SEOを比較し、自社サイトの強み・弱みを特定する
ペルソナ分析 理想ユーザーのプロファイルを構築し、ホームページがターゲットに合っているかを検証する
ヒューリスティック評価 専門家がUI/UXのガイドラインに基づき、潜在的な問題点を体系的にチェックする
サーチクエリ分析 サイト内検索のキーワードから、ユーザーのニーズとコンテンツの不足を特定する

企画・設計

企画・設計フェーズは、抽出した課題を解決するための具体的な施策をホームページの設計図に落とし込む工程です。

設計が不十分だと、「制作段階での手戻りが増える」「リニューアル後のホームページが使いにくい」などの恐れがあります。

まず目的達成に必要なコンテンツを整理し、ホームページ全体のページ構成を示す「サイトマップ」を自社で作成しましょう。

企画・設計フェーズでのサイトマップの作成に便利なツールを、以下の表にまとめました。

ツール名 説明
Visual Sitemaps URL入力でサイト構造をツリー型に自動視覚化し、ページキャプチャ付きで分析可能
Miro オンラインホワイトボードでドラッグ&ドロップによるサイトマップ作成と共有
Xmind フル機能のマインドマップツールで、サイト構造のブレインストーミングに適する
MindMeister チームコラボレーション向けのマインドマップ作成、リアルタイム共有可能
Coggle 初心者向けのシンプルなマインドマップツールでサイトマップの視覚化に便利
サイトマップを作成する手順や作るときの注意点、おすすめのツールなどは、以下の記事で解説しています。

次に、ホームページ制作会社が各ページにどのような情報・コンテンツをどの順番で配置するかを決めるワイヤーフレームを作成します。

設計作業と並行し、ホームページ制作会社へ正確な要望を伝えるためのRFP(提案依頼書)を準備する作業も重要です。

RFP(提案依頼書)を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

制作会社の選定

ホームページ制作会社の選定は、リニューアルのプロジェクトの成功を大きく左右する重要なポイントです。

各社にそれぞれ得意分野があり、たとえばデザインは得意でもSEOが不得意、あるいはその逆といったケースがあるためです。

まず作成したRFP(提案依頼書)を複数の候補企業に送付し、提案内容と見積もりを比較検討する相見積もりを行いましょう。

相見積もりのときに過去の実績や、自社と同業種や類似の課題を解決した事例があるかを十分に確認してください。

開発・制作

ホームページ制作会社による開発・制作フェーズは、ワイヤーフレームを基にホームページをビジュアル化し、構築していくプロセスです。

デザインの作成やシステム構築などの専門的な作業が中心ですが、発注者側も積極的に関与する必要があります。

ホームページの開発・制作フェーズの流れは、以下のとおりです。

ステップ 説明
1.デザインカンプ作成 ワイヤーフレームに沿ってホームページの完成見本を作成する
2.承認 発注者が作成されたデザインが目的やターゲットに沿っているかを確認し、承認する
3.コーディング 承認後、デザインカンプをブラウザで表示できるように作業する
4.CMS組み込み お知らせなどを自社で更新可能にするCMSの組み込みを進める

各段階での確認作業を迅速に行い、スケジュール遅延を防ぐようホームページ制作会社と協力しましょう。

テストと検証

テストと検証は、「公開に値する品質基準を満たしているか」「設計や要件どおりに正しく動作するか」を確認する最終関門です。

ホームページ制作会社でも十分にテストと検証を実施しますが、自社でも最終確認を行いましょう。

検証作業が不十分だとリンク切れ・表示崩れ・フォームが機能しないといった不具合が残り、ユーザーの信頼を失う原因となります。

ホームページのテストと検証のポイントを、以下の表にまとめました。

テスト・検証ポイント 説明
機能性 フォーム送信・リンク遷移・検索機能などの動作が正しく実行されるかを確認する
表示確認 テキスト・画像・レイアウトの崩れや文字化けがないかを多様な環境で検証する
レスポンシブデザイン スマホ・タブレット・パソコンでの表示適応性をチェックする
パフォーマンス ページロード時間・応答速度が基準を満たすかを測定する
セキュリティ SQLインジェクション・XSS対策・入力検証の有効性をテストする
クロスブラウザ Chrome・Safari・Edgeなどの複数ブラウザでの互換性を確認する
ユーザビリティ 操作の直感性・エラーメッセージの明瞭さをユーザー視点で検証する
フォーム入力 異常入力・境界値・特殊文字に対するエラー処理をチェックする
ナビゲーション メニュー・パンくずリストの正確性と使いやすさをテストする

公開と運用開始

テストと検証を経て、いよいよホームページをインターネット上に公開し、新しいホームページとしての運用を開始しましょう。

ホームページのリニューアルは公開がゴールではなく、むしろビジネス成果を生み出すためのスタート地点です。

公開の作業はホームページ制作会社が行いますが、運用については外注・内製化の2つの方法があります。

ホームページの公開と運用開始のときに求められる作業を、以下の表にまとめました。

作業 説明
サーバー・ドメイン設定 レンタルサーバーへのアップロードと独自ドメインの紐付けを行う
SSL化 HTTPS対応を設定し、セキュリティ証明書を導入する
SEO初期設定 XMLサイトマップ作成・メタタグ設定・Google サーチコンソール登録
アナリティクス設定 Googleアナリティクスのトラッキングコードを埋め込み、アクセス解析を開始
バックアップ作成 公開前にホームページ全体のバックアップを取得し、運用時の復元を準備
告知・共有 SNSやメールで公開を周知し、初期トラフィックを誘導する
セキュリティ対策 パスワード強化・脆弱性スキャンを実施し、運用時の安全を確保
ホームページ運営の業務や費用内訳、おすすめの運営代行会社などは、以下の記事で解説中です。

効果の測定・改善

ホームページ公開後は、設定したKGI・KPIが達成されているかを定期的に測定し、継続的な改善を行いましょう。

公開しただけで満足してしまい、その後の分析や改善を怠ると、リニューアルにかけたコストや労力が無駄になってしまいます。

効果の測定・改善で自社内に担当者がいない場合、ホームページ制作会社に依頼するのも一つの方法です。

自社で行う場合は、リニューアル前に設定したKPIが、公開後にどのように変化したかをアクセス解析ツールで確認してください。

また、ヒートマップツールも活用し、「どのページで離脱しているか」「どのボタンが押されていないか」などの課題を発見します。

分析によって得られたデータを基に仮説を立て、改善策を実行し、再び効果を測定するPDCAサイクルを回し続けましょう。

ホームページを改善するやり方は、以下の記事をご覧ください。

ホームページのリニューアルにかかる期間の目安

ホームページのリニューアルにかかる期間は、平均して3か月から6か月程度が目安とされています。

ページ数が少ない小規模なホームページやランディングページの場合、1か月~3か月程度で完了するケースもあります。

一方、ECサイトの構築や大規模なシステム連携が必要なプロジェクトでは、6か月~1年以上かかる場合も珍しくありません。

スケジュール遅延を防ぐためにも、まずはリニューアルの範囲を明確にし、余裕を持ったスケジュールを設定してください。

以下の記事では、ホームページ制作にかかる期間をケース別に解説しています。

まとめ

ホームページのリニューアル費用は依頼先の規模や、コーポレートサイト・ECサイトなどの種類によって大きく変動します。

費用には企画・設計費・デザイン費・コーディング費・CMS導入費などが含まれますが、さまざまな工夫でコストを抑えられます。

ホームページ制作会社へ依頼するときは複数社から見積もりを取得し、内訳・作業範囲・追加費用発生のリスクも確認するべきです。

リニューアルの目的や予算を明確にし、自社の課題解決に最適なホームページ制作会社を慎重に選定しましょう。

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ホームページのリニューアルを検討している方は、お気軽にビズサイにご相談ください(ホームページ制作サービスの詳細を見る)。

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